浜村拓夫(・∀・)作品集

頭の中にあるイメージを表現できるデザイン力が欲しいです(><)

ビジネスにおける美意識の重要性

「美しい」という言葉はとても主観的であり、内容が曖昧になりがちな言葉だと思います。人間の「論理」ではなく「感情」を表すための言葉なので、具体的ではなく抽象的な使われ方をする言葉なのでしょう。

 

「美人の定義」すなわち、美人とはどういう人なのか?について、全ての人が認める定義を作ることは、簡単なようで実はとても難しい問題です。目と鼻と口の形・位置・角度・長さなどを何ミリと規定しても、人によって好みが違うと反対意見も出るでしょう。

 

非常に曖昧で抽象的なんだけど、美しさを求める「美意識」が人を動かしている場合が多々あります。「美意識」はビジネスの世界、商売の場面でも重要な役割を果たしている、という指摘がありました。

 

人々のニーズが単純ではなくなってきた?

ビジネスにおける「美意識」の重要性について、考察した本がありました。

 

 

グローバル企業が世界的に著名なアートスクールに幹部候補を送り込む、あるいはニューヨークやロンドンの知的専門職が、早朝のギャラリートークに参加するのは、こけおどしの教養を身につけるためではありません。

彼らは極めて功利的な目的で「美意識」を鍛えているのです。

 

今回、本書の執筆にあたっては、多くの企業・人にインタビューをさせていただきましたが、共通して指摘された回答をまとめれば次の三つとなります。

1.論理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある

2.世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある

3.システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している

 

(p.17)

 ノーベル経済学賞を受賞したロバート・ウィリアム・フォーゲルは「世界中に広まった豊かさは、全人口のほんの一握りの人たちのものであった『自己実現の追及』を、ほとんどの全ての人に広げることを可能にした」と指摘しています。

 人類史においてはじめてと言っていい「全地球規模での経済成長」が進展しつつあるいま、世界は巨大な「自己実現欲求の市場」になりつつあります。このような市場で戦うためには、精密なマーケティングスキルを用いて論理的に機能的優位性や価格競争力を形成する能力よりも、人の承認欲求自己実現欲求を刺激するような感性や美意識が重要になります。

 人間の欲求を、最も低位の「生存の欲求」から、最も上位の「自己実現欲求」の5段階に分類できるという考え方、いわゆる「欲求の5段階説」を提唱したのはエイブラハム・マズローでした。この枠組みで考えれば、経済成長に伴う生活水準の上昇によって、商品やサービスに求められる便益は、「安全で快適な暮らしをしたい=安全欲求」を満たすものから、徐々に「集団に属したい=帰属欲求」へ、さらに「他者から認められたい=承認欲求」へと進むことになり、最終的には「自分らしい生き方を実現したい=自己実現欲求」へと進展することになります。

 先進国における消費行動が「自己表現のための記号の発信」に他ならないことを明確に指摘したのはフランスの思想家であるジャン・ボードリヤールでしたが、この指摘はもやは先進国においてだけでなく、多くの発展途上国にも当てはまるようになってきています。ひっくるめて言えば、全ての消費ビジネスがファッション化しつつあるということです。このような世界においては、企業やリーダーの「美意識」の水準が、起業の競争力を大きく左右することになります。

 

マズロー欲求モデル

計量経済では「満足度=所有/欲求」という基本的な関係式で需要と供給を説明します。

日本や中国が「世界の工場」として大量生産を行い、多くの製品を世界中へ供給しました。その結果モノがあふれて、人々は単純にモノを所有して満足する段階を通過しました。

マズロー欲求モデルを援用すると、より高次な欲求を満たすために必要な手段(商品)が求められるようになった、と分析できます。

  • 承認欲求=他者から認められたい(プライド)
  • 自己実現欲求=自分らしい生き方を実現したい(レッセフェール)

 

自己実現理論 - Wikipedia

欲求段階説(Maslow's hierarchy of needs)とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。これは、マズロー欲求段階、自己実現理論とも称される。
ピラミッド状の階層を成し、マズローが提唱した人間の基本的欲求を、高次の欲求(上)から並べる。

 

ただ服を着るだけならユニクロで十分ですが、「俺はカッコイイ」「私はセレブ」等という変身願望を満たすためには、ハイブランドの服で着飾りたくなるでしょう。(プレタポルテで満足できなくなったら、さらにオートクチュールに手を出す)

人は何かに夢中(中毒)になると、どんどんエスカレートしていきます。

(最後は廃人になるか自己満足に浸って止まる?)

 

スマートフォンを例に考えてみると、iPhoneAndroidよりも高価ですがよく売れます。これは単に機能の問題ではなく、製品のデザインの美しさやブランドへの慕情といった要素が起因しているのでしょう。

Appleは製品の美しさを追求してビジネスに成功したのであれば、「美意識」は無視できない要素といえます。

 

日本人の美意識

外国と比べて日本のビジネスマンは美意識が不十分という指摘がありました。

Amazonのレビューにも、その指摘がありました。

 

多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)

 

 

b.hatena.ne.jp

 

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R13YGRSY4BW6B9/

カスタマーレビュー

★★☆☆☆ ホリエモンの弱点がよく分かる本

投稿者 備蓄こめたろう 2017年6月11日

 

1つの仕事に囚われず興味のままにあらゆるジャンルの仕事をかけ持つホリエモンらしい本です。彼はライブドア時代からポータルサイトのみならず中古車販売や証券会社まで進出していました。まさに多動力という言葉がピッタリ。

ひとつの肩書きだけではその他大勢の一人にしかなれないが、複数の異なるキャリアが掛け算となり、オンリーワンの人材になれる。まさにその通り。これからの時代、行動力と勇気が大切です。

そんなバリバリの行動力を持つホリエモンは素晴らしい一方、ホリエモンの弱点もよく分かりました。

失敗を恐れずとにかく行動に移したり、人に嫌われる事を恐れず何でも本音で発言するホリエモンは、人が受け取る印象への想像力がまったく欠如しています。

新幹線の中で「堀江さんの本を読んで感動しました」と声をかけられて「だから何?」と返してしまうホリエモンらしいエピソードがありますが、たとえそれは本音だとしても、そのような人が考えたサービスは果たして魅力的に映るでしょうか?彼は恐らく小さな事だと考えていますが、堀江ブランドは明らかに失墜します。

この本でホリエモンが引き合いに出しているスティーブ・ジョブズやゾゾタウンの前澤社長のプロダクトやサービスは人々を魅了してワクワクさせます。ビジネスモデルとして秀逸なのはもちろん、人を惹きつけるアート的な感性があるからだと思います。アップルもゾゾも、その製品やサービスはもちろん、企業そのものがアートです。

特にジョブスはその言葉一つ一つがまるで作品のように語り継がれています。一つ一つが聞き手が抱く印象を良く考えて発せられた言葉なのです。

家や別荘、車のような資産を持つ事を思考停止だと切り捨て、無駄な時間を極限まで切り詰めるホリエモンは合理的です。

ところが音楽や芸術などアートというものは、基本的には無駄で非合理なものであることは忘れてはいけないでしょう。アートは無駄だが、無駄であるが故に美しい。

前澤社長が世界的な現代アートのコレクターで、ジョブスは京都の庭園に熱心に足を運んでいたのは有名な話だと思います。

モノを持たずこだわりを持たないホリエモンは、こうした無駄や余白を楽しめるアートの部分が無いのだと思いました。

ホリエモンは既存のビジネスの無駄を排除し、焼き直して正しい方向に導く能力は高いのですが、消費者を魅了して共感させるような彼自身の代表作と言えるサービスやプロダクトが作れていないことが、ホリエモンが未だに批判される理由だと思います。

ダイレクトに言えば、単純に格好良くない。粋では無い。格好良く無いものは、やはり人に受け入れられない。ホリエモンが新しいサービスを始めるとしても、あまりワクワクしません。ホリエモンがプロデュースしたteriyakiや755もイマイチ不発の様ですが、なんとなくダサい、子供っぽい、イメージがついてしまっているのでは無いでしょうか。

 

「人の振り見て我が振り直せ」といいますから、他人の失敗も反面教師として、学びの材料にしていきたいです。

 

まとめ

人々が求める「美しさ」が重要になるなら、それに応じた商品デザインや販売方法が開発されていくでしょう。

日本には伝統的な芸術がいろいろあります。日本独自の美意識や、さらには自分自身の「美意識」を今一度見直し、今後のプロトタイピングに反映させていきたいと思います。

 

 

 

Enya - Caribbean Blue