事業の作り方のコツをまとめた「起業の科学」という本がありました。
よく知られているビジネスフレームワークがコンパクトにまとめられており、図表も分かりやすいです。本書を参考にして事業の改善に取り組んでみたいと思います。
目次
第1章 IDEA VERIFICATION 【アイデアの検証】
1-1 スタートアップにとっての「良いアイデア」とは
いかに課題にフォーカスするか
誰が聞いても良いアイデアは避ける
他の人が知らない秘密を知っているか?
なぜクレージーなアイデアが求められるのか?
スタートアップが避けるべき7つのアイデア
1-2 スタートアップのメタ原則を知る
スタートアップとスモールビジネスの違い
97%のことにNOと言えるか
スタートアップは極端に直感に反する
1-3 アイデアの蓋然性を検証する
スタートアップはタイミングが命
市場環境の流れを読む
PEST分析で「兆し」を見つける
破壊的イノベーションと持続的イノベーション
スタートアップの10のフレームワーク
ターゲットの市場に狙いを定める
1-4 Plan A(最善の仮説)を作成する
リーンキャンバスの書き方
ピボットの重要性と留意点
≪COLUMN≫ サイドプロジェクトでアイデアを練る
第2章 CUSTOMER PROBLEM FIT【課題の質を上げる】
2-1 課題仮説を構築する
課題の質を上げる
ペルソナを想定する
カスタマーの体験に寄り添う
2-2 前提条件を洗い出す
ジャベリンボードの使い方
2-3 課題~前提の検証
Get out of the building!
プロブレムインタビューの心得
仮説を修正していく
≪COLUMN≫ 創業メンバーは課題が腹落ちしているか(ファウンダー・プロブレム・フィット)
第3章 PROBLEM SOLUTION FIT【ソリューションの検証】
3-1 UXブループリントを作る
最適化する前に入念な検証をする
3-2 プロトタイプの構築
UX設計をベースにプロトタイプを実装する
3-3 プロダクトインタビュー
カスタマーの声がリスクを減らす
Problem Solution Fit終了の条件
≪COLUMN≫ 共同創業するチームを作る
第4章 PRODUCT MARKET FIT【人が欲しがるものを作る】
4-1 ユーザー実験の準備をする
リーン・スタートアップをより実践的にする
MVPの型を知る
4-2 MVPを構築する
MVPからの学びを最大化する
4-3 MVPをカスタマーに届ける
恥ずかしい状態のうちに市場に出す
マーケティングより直接対話する
4-4 MVPの評価を計測する
スプリントの繰り返しで評価を計測
定量分析で定番の指標を使う
定性分析のインタビューでインサイトを得る
4-5 新たなスプリントを回す
PMF達成へ再びスプリントを実行
PMFは達成できたか?
4-6 UXを磨き込む
UXがユーザーの愛着を左右する
ユーザーを定着させるUXの秘訣
分かりやすさがユーザー定着の決め手
4-7 ピボットを検討する
ピボットをするか 辛抱するか
残り何回ピボットできるか?
≪COLUMN≫ PMF達成へ柔軟性の高いチームを作る
第5章 TRANSITION TO SCALE【スケールするための変革】
5-1 ユニットエコノミクスを計測する
顧客が増えれば利益も増える形に
LTV(生涯価値)を計測する
5-2 顧客1人当たりのLTVを高める
顧客を長く定着させるには秘密がある
5-3 顧客獲得コスト(CPA)を下げる
PMF直後のCPAを把握する
オーガニックでCPA低減
情報をストックして幅広い層にリーチ
出版社情報
著者紹介
田所雅之(たどころ・まさゆき)
1978年生まれ。大学を卒業後、外資系のコンサルティングファームに入社し、経営戦略コンサルティングなどに従事。独立後は、日本で企業向け研修会社と経営コンサルティング会社、エドテック(教育技術)のスタートアップの3社、米国シリコンバレーでECプラットフォームのスタートアップを起業した。
日本に帰国後、米国シリコンバレーのベンチャーキャピタルFenox Venture Capitalのベンチャーパートナーを務め、国内外のスタートアップに対する投資を担当している。また欧州最大級のスタートアップイベントのアジア版、Pioneers Asiaのスタートアップ担当責任者を務める。これまで世界中のスタートアップ1500社以上の評価を行ってきた。
日本とシリコンバレーのスタートアップ数社の戦略アドバイザーやボードメンバーを務めながら、事業創造会社ブルー・マーリン・パートナーズ(東京・港)のCSO(最高戦略責任者)、ウェブマーケティング会社ベーシック(東京・千代田)の新規事業担当CSOも務める。2017年、新たにスタートアップの支援会社も設立した。
その経験を生かして作成したスライド集『スタートアップサイエンス2017』は全世界で5万回シェアされた。
書評
本書は「スタートアップサイエンス2017」というスライド集が基になっているそうです。
ビジネスのコツをまとめた様々なフレームワークがありますが、単品で使うと日めくりカレンダーの名言のようにその場限りで終わってしまうような気がします。
しかし、それらをきちんと並び替えてスゴロクのように配置すると、スタートからゴールへ至る明確な道筋として見ることができるようになります。
全体の中でこのフレームワークはどこに位置付けたら良いのだろう?という疑問に答えれくれるのが本書「起業の科学」のステージマップでしょう。
この地図を使うと、総合的な理解が深まると思いました。
自分の場合は、
- 第2章 CUSTOMER PROBLEM FIT【課題の質を上げる】
- 第3章 PROBLEM SOLUTION FIT【ソリューションの検証】
の辺りを見直す必要がありそうだと思いました。
本書をチェック表として活用して、事業の構成を見直し、より良いサービスの作成を心がけていきたいです。
最後に、著者並びに出版社の皆様、有益な情報提供どうもありがとうございます。