東京都美術館が面白そうな企画をやっていました。
とびらプロジェクトとは?
美術館を拠点にコミュニティを育む
美術館を拠点にアートを介してコミュニティを育むソーシャルデザインプロジェクト「とびらプロジェクト」。
広く一般から集まったアート・コミュニケータ「とびラー」と、学芸員や大学の教員、そして第一線で活躍中の専門家がともに美術館を拠点に、そこにある文化資源を活かしながら、人と作品、人と人、人と場所をつなぐ活動を展開しています。
「とびらプロジェクト」は、東京都美術館がリニューアルオープンしたことをきっかけに、隣の東京藝術大学と手を組み2012年に始動しました。
- 美術館を舞台として、人が集まるイベントをやる。
- 2012年からやってる。
- 隣近所の芸大と美術館がコラボ。
アート・コミュニケーター
とびらプロジェクトに参加するボランティアを、広く一般から募集してました。
参加者は「アート・コミュニケーター」「とびラー」という名称みたいです。
活動内容
とびらプロジェクトで行う活動には、3つのタイプがあるみたい。
- 参加型プログラム とびラーが来館者のために企画するもの
- 情報発信プログラム とびらプロジェクト及び東京都美術館の情報を発信するもの
- とびラー向けプログラム 専門的知識を学ぶレクチャーやとびラー同士の交流を図るもの
「とびラボ」(ミーティング)
「とびラボ」とは、とびラー同士が自発的に開催するミーティングであり、新しいプロジェクトの検討と発信が行われる場です。
様々なバックグラウンドを持ったとびラーによる「この指とまれ式」と「そこにいる人が全て式」でミュージアムの力を活かすオリジナルな活動が生まれ、アートを介したコミュニケーションの可能性が大きく広がっています。
また、「とびラボ」はとびラー同士のゆるやかなコミュニケーションの場でもあり、対話から生まれる充実した時間が、美術館に新しい価値を注ぎ込んでいます。
- 美術館の専門家からレクチャーを受けて、企画の意図や活動に必要な知識を理解する。
- 新しい企画を考えて、ボランティア同士や美術館の協力を得て実現する。
- 参加者および来館者に利益を還元する。
こんな仕組みになっているみたいですね?
ボランティア、プロボノの意義
要は美術館のボランティア活動ってことみたい?
→「何か面白い企画を考えてくれ。実現は美術館がバックアップするから」と。
無償の仕事(ボランティア、プロボノ)は「贈与経済」の一種なので、その形でしかできないことがあるなら、やってみる価値はあるかも?
経済活動には2つの指標があります。
- (1)「お金」
- (2)「評価」
無償の仕事は、(2)「評価」を高めて、副二次的に(1)「お金」をもたらす契機にもつながります。
(1)「お金」しか観察してないと、(2)「評価」と連動している部分を見落としてしまいがちです。
ただし、人を「タダでこき使ってやろう」というサイコパスもいるので、一概に「評価」=「お金」という等価交換は成立していませんね?
しかし、「評価を下げるほど収益が上がる」というビジネスモデル(炎上商法とか?)には持続性がないので、「評価」は下げるよりも上げた方が良いのでしょう。
贈与経済の仕組みを考慮すると、ボランティア活動ってのは、一見無償でやっているように見えても、実際には次のステップで有償の活動に結びつけることも可能です。
→「タダ働きならアホらしい」と短絡的に考えるのは、ナンセンスですね?
美術館へ行きたくなる動機付け
最後に東京都美術館へ行ったのは、自分の絵を展示していただいた時でした。
そうでもなければ、わざわざ美術館まで足を運ぶには、それなりの動機付けが必要だと感じます。(フットワークが重いw)
自分が好きなアーティストの作品さえも、「現場で見たい!」というテンションが上がるのは稀かも?
インスタントな娯楽にあふれる現代では、ファインアートって、それだけだと間口が狭いのかもしれませんね?(あまり人気じゃない?)
美術鑑賞は、ややニッチな趣味になりつつあるような気もする反面、新たな顧客層を獲得しつつあるようです。
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欧米の大都市圏では、美術館で開催される早朝ギャラリートークに、ビジネスマンが参加しているそうです。
エリートがエリートたる所以は、自助努力でポジションを高めるからでしょう。
彼らは今、「美意識」「感性」を鍛えて、AIでは代替できない領域を築いています。
もしも、ファインアートの鑑賞に知性を高める効果があるとすれば、凡庸な日常に埋没せずに、新しい価値を創造するきっかけ(刺激)を与え続けてくれることが一因でしょう。
美術館を基点とした有益な活動は、いろいろできると思います。
将来、AR/VRテクノロジーが発達したら、美術館という固定的な場所さえも不要になるかもしれませんが、それでも美術館は残ると思います。(電子書籍が発達しても紙の本は残るみたいに?)
うーん、何だろ? 今、美術館でしかできないこと、やってみたい企画がすぐに思いつきません。
電通のデザイナーとかだったら、東京オリンピックに向けて、何かコラボ企画でも提案できるのかな?
とりあえず、今の自分にはコミットできるアイデアがないので、考えるだけに留めておこうw