仕事の生産性をアップするために、参考になりそうな本を読んでみました。
「決断の速い人が使っている戦略決定フレームワーク45」という本です。
本書は、マッキンゼーのビジネスフレームワーク等を、図解入りで分かりやすくまとめた本でした。
マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company, Inc.)は、1926年にシカゴ大学経営学部教授のジェームズ・O・マッキンゼーにより設立された、アメリカ合衆国に本社を置くコンサルティング会社。
●目次
■はじめに
■本書の使い方
序章 「決断力」が驚くほど身につく 戦略決定フレームワークの使い方
A ビジネスの意思決定に欠かせない「水平思考→垂直思考」の流れ
B 「水平思考」で威力を発揮するフレームワークというツール
C フレームワークで優先順位を決めたら、垂直思考にとりかかる
■コラム 同じ学習塾のチェーンなのに近隣に開業。「ダブリ」が引き起こすムダと混乱
第1章 ライバルから一歩抜きん出る[競争戦略フレームワーク]
1 成長戦略「撤退←→新規」で市場のスピードをつかまえる
■トレーニング⇒事業を広げすぎた家電メーカーの打開策
2 「選択-差別化-集中(3S)」でナンバーワンをめざす!
■トレーニング⇒拡大路線で競争力が低下した総合商社
3 「ドメイン(=自分の土俵)」を定めて事業拡大を押し進める
■トレーニング⇒ドメイン無視でIT業界に進出した食品会社
4 「ヒト・モノ・カネ・情報」のシナジー(相乗効果)で競争力を上げる
■トレーニング⇒セクショナリズムが横行する機械メーカー
5 “わが社らしいやり方”が見つかる 「ポーターの3つの基本戦略」
■トレーニング⇒高品質と低価格の二兎を追うメーカー
6 「ポーターの7つの参入障壁」で新規参入を考える
■トレーニング⇒全国展開を夢見る地ビール会社の決断
■コラム 自動車メーカーが「金融」と「中古車販売」を手がけるメリットとは
第2章 閉塞した現状を打開する[決断フレームワーク]
7 「ブルー・オーシャン」戦略で競争がない市場を作る
■トレーニング⇒激しい価格競争で疲弊した牛丼チェーン
8 「アクションマトリックス」でビジネスの新天地に向かう
■トレーニング⇒売り出し方がわからないワインメーカー
9 PPMで事業の将来性を見極める
■トレーニング⇒事業拡大の投資に悩む家電メーカー
10 「GEの9次元PPM」で投資と撤退を大胆に行う
■トレーニング⇒赤字事業の撤退・挽回に迷う家電メーカー
11 ドラッカーが提唱した「イノべーションの7つの機会」
■トレーニング⇒新興国の価値観に悩む機械メーカー
12 マーケティングの「R-STP-MM」で売れる仕組みを作る
■トレーニング⇒意見がまとまらない新商品会議
13 「市場の3つの価値観」で時代にマッチした売り方を考える
■トレーニング⇒顧客の要求に対応できない重機メーカー
■コラム 失敗は恐れない。「最初に動いた者」がトップシェアを手にできる
14 ランチェスター戦略の基本「弱者の戦略」と「強者の戦略」
■トレーニング⇒海外進出で苦戦するメーカーの新戦法
15 ランチェスターの「ナンバーワン戦略」で業界の主導権をとる
■トレーニング⇒方向性を見失ったパソコンメーカー
16 事業発展に効くランチェスターの「グー・パー・チョキ理論」
■トレーニング⇒在庫管理に苦しむ化学メーカー
17 「シェアの法則(26%/40%/70%)」から市場での位置をつかむ
■トレーニング⇒販売目標があいまいな飲料メーカー
18 孫子の「小が大に勝つ3つの戦法」で強者の隙を突く
■トレーニング⇒新規事業の売上ゼロに焦るIT企業
19 孫子の「小組織の5つの利点」を活かして大組織を動かす
20 孫子が説く「組織敗北6つの状態」―走、弛、陥、崩、乱、北―
■トレーニング⇒経営陣が対立する航空会社の敗因とは
■コラム ロングセラーの裏に「グー・パー・チョキ理論」あり
第4章 的外れの努力を防ぐ[視野拡大フレームワーク]
21 「逆転の発想」で正反対の視点から解決策を考える
■トレーニング⇒消耗戦で八方ふさがりのビールメーカー
22 「有から新しい有」を生む発想で新しい世界を切り拓く
■トレーニング⇒物流コストがかさみ、赤字のパン製造会社
23 「MUST/WANT」を区別してムダを排除する
■トレーニング⇒完璧主義で毎日終電の部下への対処法
24 「パレートの法則(20/80)」と「みこし担ぎの法則(20/60/20)」
■トレーニング⇒手間のかかる業務が増えたワイン業者
25 「左脳モード←→右脳モード」で発想力を広げる
■トレーニング⇒タイプが異なる部下の指導法
■トレーニング⇒調査に時間をかけすぎの老舗商社
■コラム 「新しい有」を生むために経営のタイムマシンに乗ろう
第5章 問題点を見つけて即応する[問題発見フレームワーク]
27 「基準と実際のギャップ」を共有し、問題を早期解決へ導く
■トレーニング⇒問題意識のない部下が顧客のいいなりに
28 「ダラリの法則」で職場の問題を見つけ、仕事を効率化する
■トレーニング⇒業務改善が一向に進まない広告代理店
29 「フォーマル/インフォーマル」で組織を活性化する
■トレーニング⇒新しい波に後れをとったIT企業
30 「ホウレンソウ」で上下関係を円滑にする
■トレーニング⇒上司の知らないところで問題を起こす部下
31 アイデアがどんどん出る「オズボーンのチェックリスト」
■トレー二ング⇒新製品で完全に行き詰まった電機メーカー
32 「Before/After」の比較で進むべき道を明らかにする
■トレーニング⇒新企画の内容がつかめない企画部長
■コラム カイゼンの原動力を担う仲間づくり、トヨタの「自主研」
第6章 現状把握力と分析力を高める[分析フレームワーク]
33 「事実と判断」を区別して状況やデータを正しく把握する
■トレーニング⇒クレームが増え続ける製造メーカー
34 「三現主義」で冷静に正しい最終判断をくだす
■トレーニング⇒墓に囲まれた土地を購入した不動産会社
35 「独立関係/従属関係」で膨大な情報をわかりやすく整理する
■トレーニング⇒部下にあたり散らす公私混同の上司
36 「原因と結果」を明らかにして根本から解決する
■トレーニング⇒部下たちの長電話に悩む営業部長
37 「is/is not」で原因を深掘りする
■トレーニング⇒突然、売上が激減したプリンタメーカー
38 「成功体験/失敗体験」をうまくコントロールする
■トレーニング⇒「成功は才能」「失敗は運」で成長のない部下
39 「仮説-実行-検証」を回して仕事の精度を高める
■トレーニング⇒販売データを使いこなせないコンビニ店長
■コラム 東京ディズニーリゾートから学ぶ 「捨てるもの」と「守るもの」
第7章 限られた時間とお金で成果を高める[効率化フレームワーク]
40 「時間・お金」の発想でよりよい人生戦略を立てる
■トレーニング⇒会社を貧乏ヒマなし状態にする営業主任
41 「サンダウンルール」「1日3分割法」で1日にメリハリをつける
■トレーニング⇒“時間は有限”の意識がない部下
42 「仕事の足し算・引き算」で精度を上げ、納期を守る
■トレーニング⇒見積もった工数の倍かかる部下
43 「価値工学(VE)」でコストダウンの正否を検討する
■トレーニング⇒コスト削減した結果、売上が半分以下に
44 「坪単価売上」と「客単価売上」で繁盛店をプロデュース
■トレーニング⇒来客数は増えたのに売上が減ったスーパー
45 「交差比率」をもとに回転率アップ、在庫ゼロを目指す!
■トレーニング⇒大量在庫を抱え、苦しい経営の洋品店
戦略決定フレームワーク45
●著者
著者の西村克己氏は、経営コンサルタントの方でした。
西村克己
芝浦工業大学大学院マネジメント研究科客員教授、経営コンサルタント。
東京工業大学「経営工学科」大学院、富士写真フイルムを経て日本総合研究所へ。
主任研究員として民間企業のコンサルティングに携わる。
●印象に残った言葉
時間の使い方を改善する方法として、「サンダウンルール」という方法が紹介されていました。
(p.198)
第7章 限られた時間とお金で成果を高める[効率化フレームワーク]
41 「サンダウンルール」「1日3分割法」で1日にメリハリをつける
漫然と過ごせば、1日はあっという間だ。
「サンダウンルール」と「1日3分割法」でメリハリをつけることをおすすめしたい。
惰性の残業、飲み会は禁物だ。
[サンダウンルール、1日3分割法とは] 日中にリミットを設定し、メリハリをつける
サンダウンルールとは、ウォルマートで生まれた言葉で、その日のことは太陽が沈むまでにしなさいと言う意味です。
これは今日の仕事を明日に延ばさず、夕暮れまでにすませなさいということです。
ウォルマートはサム・ウォルトンが創業した世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、低価格と徹底したコスト管理などで知られる企業です。
また、1日3分割法は、1日を「朝、昼、定時後」に3分割することで1日にメリハリをつける考え方です。
これを発展させた1日4分割法は、1時間程度早起きをして、早朝を加えて4分割にします。
早朝の1時間を、自分が自由に使える時間にあてるのです。
[ポイント] 1日にメリハリをつけ、頭の切り替えを促す
サンダウンルールがあれば、定時に帰宅するという目標設定ができます。
定時で帰れるかどうかは別としても、目標設定なしで仕事をするよりも成果があります。
1日3分割法の考え方では、集中力がある午前中は頭を使う仕事、午後は体力を使う仕事や時間がかかる仕事にあてます。
さらに、1日4分割法で早朝の1時間を生み出すと、精神的なゆとりが持てます。
今までできなかった趣味ができるようになったり、早朝出勤をすれば静かなオフィスで仕事に集中できます。
[アドバイス] 残業は惰性や義務でせず、自分の意志を何より大切に
定時内は仕事という枠組みに縛られますが、定時後は自分が使い方を采配できる時間帯です。
夜は自分の意志で時間の使い方を決められる、個人にとって大切な時間帯といえます。
自分の意思で残業するもよし、定時で家に帰るもよし、寄り道をするもよしです。
ただし惰性や義務感で残業するのはやめましょう。
あくまで自分の意志で行うべきです。
夜は1日の気持ちをリセットできる貴重な時間です。
何ごとに対しても、マンネリ化した時間の使い方を回避するよう心掛けましょう。
マンネリ化した残業だけでなく、マンネリ化した飲み会にも注意して、自分の意思で時間の使い方を選択しましょう。
今日は定時で帰ろうと決意すれば、いつまでにこれを終わらせようというように、かえって仕事にメリハリがつきます。
時間を能率よく使うために、より段どりを意識するようになります。
1日3分割法を意識できるようになったら、朝をさらに2つに分割して、1日4分割法にしましょう。
朝1時間早く起きて、自分がやりたいことをする時間を確保します。
1時間早く起きることで、自分の意志で自由に使える時間を確保するのです。
慢性的な寝不足の状態にならないよう、1時間早く寝ることもおすすめです。
・1日を3分割する。
・日が沈む前に、今日やることは終わらせる。(翌日に持ち越さない)
●サンダウンルール
サンダウンルールやウォルマートの制度については、他の本やブログでも紹介されています。
ウォルマート(英語: Wal-Mart Stores, Inc.)は、アメリカ合衆国アーカンソー州に本部を置く世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、売上額で世界最大の企業である。
創業者サム・ウォルトンが、1962年7月2日に最初のウォルマート・ディスカウント・シティを、アーカンソー州ロジャーズに開いた。その後様々なフォーマットを展開している。
現在、世界15か国に進出し、日本では西友を子会社化して事業展開している。
私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ (講談社+α文庫)
- 作者: サム・ウォルトン,渥美俊一,桜井多恵子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/11/20
- メディア: 文庫
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ザ・プリンシプル サムウォルトンが実践した経営の成功原則100
- 作者: 吉田繁治
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ウォルマートのサンダウンルール。
“Sun Down Rule”
日が暮れるまでに、
今日起こった問題は、
解決しよう。
欧米のことわざにあります。
Make hale while the sun shines.
「太陽が輝いている間に、干草をつくれ」
まったく同じ意味。
Strike while the iron is hot.
鉄は熱いうちに打て。
日本語のことわざと同じ。
ちょっとニュアンスは違うけれど、
「時機を逃すな」
そんな意味。
1日を3分割すれば、3日分の時間が確保できたような気分になれそうです。
この発想は良さ気なので、しばらく、これで行ってみよう!