浜村拓夫(・∀・)作品集

頭の中にあるイメージを表現できるデザイン力が欲しいです(><)

ブリコラージュ思考

目標を実現する方法として「ブリコラージュ思考」という考え方が提唱されていました。

『結果を出す人は「ブリコラージュ」で考える』という本で紹介されています。

 

結果を出す人は「ブリコラージュ」で考える

結果を出す人は「ブリコラージュ」で考える

 

 

目次

はじめに

 

第1章 圧倒的な結果を出す人はロジカルだけで考えない

 

■トップ3%のエリートに凡人が勝つただひとつの方法

 ◎「結果を出す人」と「エリート」は違う

 ◎スティーブ・ジョブズ孫正義は「エリート」なのか?

 ◎結果を出す人は「誰」だ!

 

ロジカルシンキングフレームワークでは結果が出ない

 ◎「頭はいいのに、結果が出ない人」は何が間違っているのか?

 ◎ビジネスや人生には、公式で解ける「正解」はない

 ◎「思考のセンス」は磨ける

 

■常識クソ野郎と闘え!一流外資系ブランドのリアル

 ◎外資系社長に就任したら、地獄だった

 ◎「売れない商品」で、シャネルやディオールに勝つ方法

 ◎一流外資系企業も「1+1=2」と考える

 ◎誰でも成果が出せるなら、そもそも君には頼まない

 ◎正論という「できない理由」はいらない

 ◎仕事で結果を出す人が「言い訳」をしない理由

 

ゴルゴ13は結果にしか興味がない

 ◎業界未経験の私がどうして結果を出せたのか?

 ◎「人と違うことをやりなさい

 ◎思考のスタイルを変えれば、誰でも「結果を出す人」になれる

 

第2章 飛び抜けた結果を出すブリコラージュ思考

 

■知識ゼロ、能力ゼロでもできるブリコラージュ思考とは?

 ◎「シュバル」の常識外れの思考法

 ◎現状をぶち壊して「ゼロべース」をつくれ!

 ◎結果を出す人は「ブリコラージュ」で考える

 ◎強烈な差別化だけが、インパクトを生み出す

 

■ブリコラージュ思考の3原則

 ◎「常識」「定説」「前例」を疑え

 ◎成功体験が「次の結果」のジャマをする

 ◎「好きでもないこと」のほうが結果は出る

 ◎現状とは関係のない情報を集めなさい

 

■ブリコラージュ思考の原則①「現場を見ない」

 ◎事件は会議室で起こせ

 ◎小さな結果はいらない

 ◎結果を優先するから、強烈なアイデアが生まれる

 

■ブリコラージュ思考の原則②「ライバルは無視する」

 ◎ライバルの動きから手を打つと負ける

 ◎戦っている相手も答えを知らない

 ◎結果を出すための「集中攻撃」というブリコラージュ

 

■ブリコラージュ思考の原則③「ロジカルシンキングをやめる」

 ◎ロジカルシンキングをやめると結果が出る理由

 ◎「アブダクション」を使え!

 ◎トレーニングの習慣があれば、天才じゃなくていい

 

第3章 ブリコラージュ思考をマスターする方法

 

■ステップ1 最終ゴールを確認する

 ◎ゴールは必ず「具体的」に

 

■ステップ2 今ある素材を全部並べる

 ◎ホワイトボードは机の上に置け!

 

■ステップ3 差別化コンセプト(戦略)の決定

 ◎3原則を忘れるな!

 ◎赤ちゃんの香水はJKに売れ!

 

■ステップ4 具体的戦術を決める

 ◎戦略と戦術は、同時に考える

 

■ブリコラージュ思考のための10の習慣

 ◎「考えるクセ」が、あなたの思考を養う

 思考を磨く習慣1 コンセプトを真逆にしてみる

 思考を磨く習慣2 ものを違う視点で見てみる

 思考を磨く習慣3 トレンドではなく、時代の風を読む

 思考を磨く習慣4 「スピード重視」を意識する

 思考を磨く習慣5 常に数字・データを意識する

 思考を磨く習慣6 「瞬間」を意識する

 思考を磨く習慣7 とにかく人に聞きまくる

 思考を磨く習慣8 とにかく人に話しまくる

 思考を磨く習慣9 違うコミュニティに顔を出す

 思考を磨く習慣10 メモは取らない

 

第4章 「ブリコラージュ」で考える実践トレーニン

 

フレームワークの本を捨て、思考トレーニングを始めよう

 ブリコラージュ思考を養う練習問題①

 ブリコラージュ思考を養う練習問題②

 ブリコラージュ思考を養う練習問題③

 

■ブリコラージュ思考をつくる企画書トレーニン

 ◎1日10分でできるブリコラージュ思考の企画書

 ステップ1 目標・ミッションを決める

 ステップ2 ブリコラージュする素材を集める

 ステップ3 ブリコラージュしてみる

 ステップ4 企画書にまとめる

 

■ブリコラージュ思考を磨くためのヒント

 ◎企画書トレーニングを繰り返してみよう

 ◎「スピード重視」で瞬発力を鍛える

 ◎「無理難題」が思考を磨く

 ◎事例1「美魔女ブーム」から見るブリコラージュ

 ◎事例2「北海道ラーメン」から見るブリコラージュ

 

第5章 自分の人生も「ブリコラージュ」で考えよう

 

■自分に「焼き印」を押せるやつだけが、その他大勢から抜け出せる

 ◎自分自身を差別化してみよう

 ◎結果を出したければ、ダサイ焼き印はやめろ

 ◎「ブランディング」が人生をつくる理由

 ◎人生の差別化の目的は「アーユーハッピー?」

 

■自分のスタイルを持てる人だけが今の時代を生き残る

 ◎なぜ、「その他大勢」から抜け出せないのか?

 ◎競争のループを抜け出せば、自由は手に入る

 ◎生き残るために、自分に「違い」をつくれ!

 

■人生で結果を出すために、「自分ブリコラージュ」を実践する方法

 ◎「have to」から脱却する

 ◎人と同じことはしない、と決める

 ◎「ハッピーになる計算」をする

 

■人生は「棚からぼた餅」の拾い方で決まる

 ◎人と違う行動をしなければ、「棚からぼた餅」は拾えない

 ◎目的地はパーソナルブルーオーシャン

 ◎目標があなたをあと押しする

 ◎ハッピーエンドで締めくくる

 

おわりに

 

著者紹介

takakurayutaka.com

 

高倉 豊 たかくら ゆたか

元ウブロ・ジャパン 代表取締役

ビジネスコンサルタント

 

1948年兵庫県生まれ。

自由学園男子最高学部を卒業後、1970年に博報堂に入社。入社5年目から、中東&欧州に計11年間に滞在。

39歳で博報堂を退社。翌年40歳で外資系高級化粧品メーカー、パルファム・ジバンシイの日本法人トップに抜擢される。以降、イヴ・サンローラン・パルファンやシスレーの日本法人、外資系高級時計メーカーのタグホイヤーやウブロの日本法人、計5社の外資トップを20年間務める。その間、次々と自社の業績を回復させ、「ブランド再生人」として業界で有名になる。

2011年6月末、ウブロ社長を辞任。現在は、ビジネスコンサルタントとして活躍するかたわら、執筆・講演活動を行う。

 

出版社情報

https://kanki-pub.co.jp/pub/book/details/9784761271084

kanki-pub.co.jp

 

感想

「ブリコラージュ」とは、「寄せ集め」等という意味のフランス語だそうです。

 

ブリコラージュ - Wikipedia

ブリコラージュ(Bricolage)は、「寄せ集めて自分で作る」「ものを自分で修繕する」こと。「器用仕事」とも訳される。元来はフランス語で、「繕う」「ごまかす」を意味するフランス語の動詞 "bricoler" に由来する。

 

ブリコラージュは、理論や設計図に基づいて物を作る「設計」とは対照的なもので、その場で手に入るものを寄せ集め、それらを部品として何が作れるか試行錯誤しながら、最終的に新しい物を作ることである。

 

ブリコラージュする職人などの人物を「ブリコルール」(bricoleur)という。ブリコルールは既にある物を寄せ集めて物を作る人であり、創造性と機智が必要とされる。また雑多な物や情報などを集めて組み合わせ、その本来の用途とは違う用途のために使う物や情報を生み出す人である。端切れから日用品を作り出す世界各国の普通の人々から、情報システムを組み立てる技術者、その場にあるものをうまく使ってピンチを脱するフィクションや神話の登場人物まで、ブリコルールとされる人々の幅は広い。

 

本書では、いわゆる「ロジカルシンキング」とは対照的な意味で、ブリコラージュという概念が扱われていました。

 

本書のAmazonレビューを見ると、「ブリコラージュ思考」は「ラテラルシンキング」(水平思考)に近いという解釈が紹介されていました。

 

結局ラテラルシンキングではないか? 言葉を変えただけ???

垂直方向に論理的に考える方法はロジカルシンキングとしてよく知られています。ブリコラージュ思考とはこれとは逆に既存のモノから全く別の発想をするものです。一時期はやったラテラルシンキングに近い考え方です。

 

●概要 (自分が出来ていないところ/本から学んだ点)

・飛躍的思考を達成する為の最大の障害は「常識」である。*常識を疑う・捨てることが大切

 ⇒①現場を見ない、②ライバルを無視すること、③ロジカルシンキングを止めること (常識に縛られない)

・思考の横道にそれ、それを深く掘り下げることで他社が到達できない考えが浮かぶ。

・ブリコラージュ思考のステップ

 1) ゴールを設定する、

 2) 既存の材料を並べる (素材を書きだし使えそうなものを取り出す)、

 3) 戦略コンセプトの決定、

 4) 戦術の決定

 *3), 4)も如何にインパクトのあるひらめきを考え出せるかが鍵

・人と同じことをしない。

 

水平思考 - Wikipedia

水平思考(すいへいしこう、英:Lateral thinking)は、問題解決のために既成の理論や概念にとらわれずアイデアを生み出す方法である。エドワード・デボノが1967年頃に提唱した。

 

水平思考の発想法

ランダム発想法

物事を無作為に選び(あるいは辞書を引き無作為に名詞を選んでもよい)、興味分野と関連付けて発想を広げるというものである。

 

刺激的発想法

ある物事に対して、こうであったらいいとの希望、ある部分を誇張してみたらどうなるか、あるいは逆にしてみたら、なくしてみたら、何かと一緒にしてみたらなどの一覧を作り、その中で最も突飛なものを選び新しいアイデアの元にする方法である。

 

挑戦的発想法

ある物事に対してそれがなぜ存在するのか、あるいは何のためにそうなっているのかを考えることで、新しいアイデアを生み出す方法である。

 

概念拡散発想法

ある概念を他の事物に広く応用できないかと検討してアイデアを生み出す。

 

反証的発想法

広く支持されている考えは間違いであると考え、明らかで言うまでもないと考えられていることに疑問を呈し、説得力のある反証を試みることでアイデアを生み出す。

 

水平思考の世界

水平思考の世界

 

 

 

『結果を出す人は「ブリコラージュ」で考える』で印象に残った部分をピックアップしてみます。

(要約となる見出しは私が勝手に付けましたw)

 

過去の成功や常識はいったん捨てる

ゼロベースで考えられる人だけがすごい結果を叩き出す。

 

論理的な思考にも欠点がある

(p.2)

ロジカルに導き出した答えは、遅かれ早かれライバルもたどり着く。

 

今手元にある武器だけで戦いに勝つ

(p.3)

 ブリコラージュとは、フランス語に由来する言葉で「寄せ集め」「手元にある材料でまったく新しいモノを創造する」などの意味があります。

 しかし、私が本書で定義しているブリコラージュは、「今ある素材だけで、インパクトのある強烈な差別化をつくり出すこと」です。

 わかりやすくいえば、「結果を出すための新しいアイデアのつくり方」。

 

結果が全て

(p.5)

 そもそも「結果を出す」とは、どういう意味でしょうか?

 ビジネスにおける結果とは、ある程度の大きな成果のこと。そして、私が本書で定義している「結果」とは、

 小さな売上ではなく、圧倒的な売上

 

 つまり、他者やある基準と圧倒的な差を作り出すこと――。

 これを生み出すことを目的にしているのが「ブリコラージュ思考」だといえます。

 

論理的思考をいったん止めてみる

(p.6)

 このブリコラージュ思考と対をなすのが、ロジカルシンキングです。

 ロジカルシンキングで有名なものに、「演繹」と「帰納」があります。

 演繹は、ある法則からロジックを重ねて結果を導くもの。

 帰納は、複数の事例を積み重ねて結論を導くもの。

 これらの思考法は非常に論理的で、周りの人間を説得しやすく、とても有効なものであることに間違いはないでしょう。

 しかし、論理的に考えれば、結果が出るかというとそうではありません。先ほど定義した「他者やある基準と圧倒的な差を作り出すこと」という結果には結びつかないのです。

 

 ロジカルシンキングで結果が出ない理由は、「ロジカルに導き出した答えは、遅かれ早かれライバルもたどり着くから」です。

 

自由に生きることの大切さ

(p.24)

スティーブ・ジョブズ孫正義は「エリート」なのか?

 では、「結果を出す人」を見てみましょう。

 たとえば、前アップル社CEOの故スティーブ・ジョブズ氏、ソフトバンクグループCEOの孫正義氏は、いまさら説明の必要もないほど「結果を出している人」です。

 数々の“結果”を出し、IT、情報の産業に革命を起こし、「世界を変えた人」たちです。彼らが頭脳明晰で、勉強に励んだ人なのは間違いないでしょう。

 しかし、彼らがいわゆる「エリート」かというと、そうとはいえません。

 彼らが世の中を変えるほどの結果を生み出せた理由は、勉強に励んだことによって培われた資質とは、また別のものにあると考えられます。

 そのひとつが“エリートコース”から外れた生き方、それを可能にした「自由さ」です。

 仲間とともに自宅のガレージからコンピュータの開発をはじめたジョブズ氏。

 東京ではなく、九州でコンピュータを卸売る会社をスタートさせた孫氏。

 彼らは、従来の成功コースではなく、もっと自由に行動し、もっと自由に物事を捉え、新しいアイデアを生み出しました

 

ちっぽけな安住を捨てて、新境地を開拓する勇気を持つ

(p.25)

「Stay hungry. Stay foolish.」(ハングリーであれ。バカであれ。)

 ジョブズ氏がスタンフォード大学での祝賀スピーチの最後に口にした、世界的に有名な言葉です。

 じつは、この言葉にこそ「結果を出す人」の秘密が隠されています。

 もちろん、ジョブズ氏や孫氏が“頭脳明晰”であったことは、間違いありません。

 しかし彼らは、常識や定説を疑い“まっとうな道”を歩くことをやめることで、その明晰な頭脳を有効活用したのです。

 

時代は推移している。昔のやり方はやがて通用しなくなる。

(p.27)

 定説や前例をなぞり、誰もが同じ方向に進むことでうまくいった時代は、とっくに終わりました。日本経済自体が右肩下がりなのですから、みんなと同じことをしていれば、みんな一緒に停滞してしまいます。

 つまり、周りと同じことをやっているのは、わざわざ“下りのエスカレーター”に乗る、ということと同様です。

 ビジネスに限らず、人生において結果を出す人は、大勢が乗っているエスカレーターから飛び降り、別のエスカレーターを選択するのです。前述のスティーブ・ジョブズ氏、孫正義氏などは、まさにその代表といえるでしょう。

 

 頭のいいエリートや、ロジカルに考えられる人だけが、結果を出せるわけではありません。人と圧倒的に違うアイデアを生み出し、実行できる人だけが、圧倒的な結果を叩き出せるのです。

 

「正解」が用意されている問題と「正解」がない問題の違い

(p.32)

◎ビジネスや人生には、公式で解ける「正解」はない

 ロジカルシンキングは、ある意味フレームワークという“公式”に情報を当てはめて答えを導き出すことだとも言えます。

 つまり、ロジカルシンキングフレームワークを活用できるというのは、あくまでも公式をたくさん知っているにすぎません。

 そこで答えが導き出せればいいでしょう。

 しかし、ビジネスで求められているのは、

 「1+1を100にしなさい

 というような無理難題ともいえるミッションです。

 やり方は無限ですが、この公式はフレームワークには存在しません。

 どれだけロジカルに考えようが、どれだけフレームワークを活用しようが、結果にはつながらないのです。

 このことは、優秀な社員をたくさん抱えていても、イノベーティブな商品やサービスや、コンセプトを生み出せない多くの日本企業を見れば明らかでしょう。

 入学試験や学校のテストなどには答えがありますが、仕事や人生には正解はないのです

 

 ロジカルシンキングは、情報を整理・分析すること、問題点を洗い出し改善することにおいては、優れた思考法であり、使えるツールであることに間違いはありません。

 しかし、あなたがプレイヤー(会社の数字を伸ばしたり、新商品を企画・開発したり、営業やマーケティングをしたりする役割)であるならば、ロジカルに考えるだけでなく、ブリコラージュに考えることを始めてみましょう。

 

「完璧」という名の幻想~現実には「完璧」なぞ存在していない?

(p.43)

◎誰でも成果が出せるなら、そもそも君には頼まない

 「商品力が弱い」「広告宣伝費が少ない」「人材不足」「時間がない」「スキルが足りない」「上司が無能」……など、ビジネスの世界には、さまざまなマイナス要因が存在します。それでも結果を出さなければならないのもまた、多くのビジネスパーソンに課せられたミッションです。

 そもそも仕事において、結果を生み出すための完璧な状況などは、最初からあり得ません。これは前述の私の例だけでなく、すべての人や会社に当てはまることでしょう。

 そうであるならば、今の状況、手持ちの材料のなかで打開策を考えてみることが、結果に近付くための最短距離です。

 

過去の観念(常識)がブレーキになって、新しいアイデアが出せない

(p.45)

◎正論という「できない理由」はいらない

 「高倉さん、そんなこと、この業界(化粧品業界)じゃ、通用しないよ」

 「そんなアイデア、百貨店は興味持たないよ」

 「あなた、この業界を知らないからそんなこと言うけどね……。男性に口紅を売るなんて、無理だよ」

 ジバンシィで現状打破の手を打とうとした際、多くの関係者からこんな助言をいただきました。

 しかし、はっきり言わせてもらえば、これらの言葉は私にとってまったく無意味なものでした。

 正論としての「できない理由」をどれだけロジカルに並べられても、ジバンシィ就任当時の私のように「結果を出す」ことを求められている人間にとっては「言い訳」にしか聞こえません

 

考える順番を普段とは変えてみる(常識は後回しでOK)

(p.46)

 しかし、何か新しいことを始める際に、「できない」を前提としてしまったら、そこで思考はストップしてしまいます。

 何もこれは「『あきらめない』という執念を持て!」「やるからにはやり通せ!」といった、精神論を伝えたいのではありません。

 そうではなくて、もっと単純な「考える順番」の話。

 「できない」前提になってしまう大きな理由は、もうおわかりのように「常識論で考えてしまうから」です。

 結果を生み出すためには、最初に常識論や定説にフォーカスしてはいけません。

 「前例がないから」「論理的に考えて無理だから」「業界の常識では」など、常識にフォーカスして生まれるのは、現状を打破するための新しい道筋ではなく、「できない」理由だけです。

 

常識とは新しい変化を嫌う怠慢の産物?

(p.47)

◎仕事で結果を出す人が「言い訳」をしない理由

 いっぽう、新しいアイデアで現状を打破する人は、常識論や定説をそっちのけにして、さまざまな角度から可能性を探り出します。

 「こんなこともできるんじゃないか?」

 「こうしたらもしかすると、いけるかもしれない」

 そういったアイデアを最初から切り捨ててしまうことなく、さまざまなトライ&エラーを繰り返し、そして結果を生み出すのです。

 私が知っている「仕事で結果を生み出す人」たちは、ほとんど「言い訳」ということをしません。

 「商品が悪いから売れないんだ」

 「上司が悪いからうまくいかないんだ」

 「会社のやり方がおかしいから……」

 言い訳とは、常識論を見つけ出す作業です。

 結果を出す人は、常識論にフォーカスしていないため、さまざまな「可能性の選択肢」を持つことができます。

 そのため、どんな過酷な状況であれ、何かしらの解決策を考え出し、実行します。常に前に進んでいるからこそ、彼らは結果を出せるのです。

 

素人だからこそできる常識外れの挑戦

(p.58)

◎「シュバル」の常識外れの思考法

 「シュバルの理想宮」というものをご存じでしょうか?

 フランス南部の田舎町オートリーヴにある、幅26メートル、高さ10メートルほどの“宮殿”です。

 世界のさまざまな建造物や動植物をモチーフにしたその造型は、複雑、綿密、そして独創的で芸術的です。この建物は1912年に出来上がったもので、現在ではフランス政府から国の重要建造物に指定され、修復作業なども行われているようです。

 

 じつはこの建物は、建築の知識など一切ないシュバルという郵便配達員が、33年もの歳月をかけてたったひとりでつくり上げたものなのです。

 1879年、当時43歳だったシュバルは、郵便配達中に石につまづいて転びそうになりました。その石がとても面白い形をしていたことから、シュバルは石に興味を持ち、それ以来配達のたびに奇妙な形の石を見つけると家に持ち帰り、自宅の庭にコレクションするようになりました。

 その石をコツコツ積み上げ、当時絵葉書を見ては夢に描いていた外国の建造物、宮殿のように創り上げられたのが、シュバルの理想宮です。

 専門家でもない素人が「拾ってきたヘンな石」という手持ちの材料だけで、常識にとらわれずに創り上げたシュバルの理想宮こそ、困難な状況を打破して結果を出すための常識外れの思考の象徴といえるでしょう。

 

ja.wikipedia.org

 

シュヴァルの理想宮(シュヴァルのりそうきゅう、フランス語: Palais idéal du facteur Cheval)は、フランスに存在する建築物。入り口に書かれた文字より「理想宮」と呼ばれ、ナイーヴ・アートの一つとみなされている。

 

建造

1879年、フランス南部の片田舎であるドローム県オートリーブにおいて郵便配達夫であるフェルディナン・シュヴァルは、ソロバン玉が重なったような奇妙な形をした石につまずいた。

その石から何らかのインスピレーションを得たシュヴァルは、以降、配達の途上石に目をつけ、仕事が終わると石を拾いにいき、自宅の庭先に積み上げるという行為を続ける。

1912年、33年の月日を経て宮殿の「建設」は終了。 村人達からは変人の所業として白い眼で見られたが、徐々にマスコミに取り上げられるようになり、見物客が訪れるようになった。

現在、フランス政府により国の重要建造物に指定され、修復も行われている。

 

ja.wikipedia.org

 

ジョゼフ・フェルディナン・シュヴァル(Joseph Ferdinand Cheval, 1836年4月19日 - 1924年8月19日)はフランスの郵便配達人。33年の歳月をかけて自力で巨大な城塞を建設した。今日ではシュヴァルの理想宮 (Palais idéal) として知られる。

 

www.facteurcheval.com

 

un-culte-d-art.overblog.com

 

f:id:hamamuratakuo:20190801195829j:plain

 

fr.wikipedia.org

 

f:id:hamamuratakuo:20190801200035j:plain

 

シュバルの理想宮というのは知りませんでしたが、これはスゴイですね!

 

こだわりが縛りとなって可能性を狭めている

(p.69)

◎「好きでもないこと」のほうが結果は出る

 自慢にもなりませんが、これまでに扱ってきた化粧品、香水、時計などすべて、何の興味もありませんでした。

 商品に愛着を持つことが悪いとは言い切れませんが、新しいアイデアを生み出す際には、愛着が思考のジャマをしてしまうことがあります。

 たとえば、ある銘柄の日本酒に強い愛着を持つ居酒屋があったとします。マスターが出す日本酒といえば、その銘柄のみ。

 ところがその日本酒はクセが強く、ほかの人にはあまり評判がよろしくない。だから全然売れない。

 マスターはこう言います。

 「この酒がわからない客が悪いんだ」

 これこそ愛着が生み出す思考停止。商品への過度な愛着もまた、結果を生み出すことをジャマする可能性があるのです。

 

他人に引きずり回されない

(p.82)

ブリコラージュ思考の原則② 「ライバルは無視する」

◎ライバルの動きから手を打つと負ける

 他社のアイデアが素晴らしいものであれば、負けず嫌いの私は「ちくしょう!やられた!」と、落ち込んでしまうでしょう。

 しかし、何より怖いのは、その他社の素晴らしいアイデアが「定説」「先入観」として頭の片隅に残ってしまい、自由な発想のジャマをされることです。

 

 なぜなら、「ライバルの動きを見る」ということが習慣になってしまうと、結局、ゼロベースで差別化する思考力が衰えてしまうからです。

 「ライバルの動きを見る」という習慣が、やがては「対象物(ライバル)がなければ、何も思いつかない」となる恐れがあるからです。

 

他人の成功に嫉妬したり気にし過ぎると、自分の進む道が曲がってしまう

(p.84)

◎戦っている相手も答えを知らない

 もし「これだ!」という会心のアイデアを他社がもうやっていたら……。

 そのときは、潔くやり直します。

 

 そもそも、戦っているライバルが正しいわけではありません

 たまたまうまくいったことを、あたかも正解のように捉え、定説として気にしてしまうことは、危険です。

 隣の芝生は青く見えるものですからね。

 ひょっとしたら、まったく違う道にこそ、最高の切り口があるかもしれない。

 しかし、ライバルの成功が、その道に進むことをジャマすることだってあるのです。これではもったいないですよね。

 

自分の中でもマンネリに陥っていたら、いつもと違うやり方に変えてみる

(p.89)

ブリコラージュ思考の原則③ 「ロジカルシンキングをやめる」

ロジカルシンキングをやめると結果が出る理由

 いくつもの新しいアイデアが、ロジカルシンキングとは真逆の「ひらめき」から生まれてきます。

 なぜなら、考え方のプロセスのなかに、「ひょっとしたら」という要素が組み込めないからです。ロジカルシンキングは、誰もが同じような順番で物事を考えるわけですから、同じような答えが導き出されてしまうのは当たり前。

 結果を出すために必要なのは「ほかと同じような答え」ではないことは、もうおわかりでしょう。

 

狭まった視野を観察によって再び広げる

(p.91)

◎「アブダクション」を使え!

 ブリコラージュ思考では、ロジカルシンキングの「順番通り」の考え方を捨て、横道に逸れることを推奨します。

 たとえば「アイスクリーム」について考える際、

 「アイスクリームを冬に食べたら、どうだろう?」

 「どんなシチュエーションだったら、おいしいだろう?」

 「冬に冷たいものを食べたくなるのは、どんなときだろう?」

 と非常識に考えてみましょう。そこでもしかしたら、

 

 「冬にこそ食べたい! このアイス」

 「お鍋のデザートにはこのアイス!」

 といった、面白いアイデアも生まれてくるかもしれません。

 「じゃあ、冬だったらどうよ?」という横道に逸れていってこそ、「アイスクリームは夏の食べ物」という一般論から外れることができます。

 つまり、スタートはあくまでも「ひょっとしたら」のアイデアだというもの。このように、横道に逸れた偶然の思いつきやひらめきから出てきた仮説を検証していって結論を導き出す方法は、「アブダクションと呼ばれます。

 ニュートンが「万有引力の法則」を発見したのも、リンゴが木から落ちる様子を見ていた際の「ひらめき」=「ひょっとして、地球には引っ張る力があったりしてね」という仮説がきっかけだったのですから。

 

kotobank.jp

 

アブダクション(abduction)

誘拐。略取。

 

起こった現象を最もうまく説明できる仮説を形成するための推論法のこと。仮説形成とも訳される。

アメリカの哲学者パースアリストテレスの論理学をもとに提唱し、帰納法演繹法と並ぶ第三の推論法として、新たな科学的発見に不可欠なものであると主張した。

日常的な例としては次のようなものがある。

(a)庭の芝生が濡れている(現象)

(b)雨が降ると芝生が濡れる(法則)

(c)だから(今はやんでいても)雨が降ったに違いない(仮説)

ここでは(a)の現象の原因を説明するため、最終的に(c)の仮説を立てている。しかし、芝生が濡れる原因は雨のほかにも「夜露が降りた」や「誰かが水まきをした」などいくつか考えられる。そのため、(b)の法則の内容そのものは正しいとしても、その法則を思いついて、ここに当てはめるかどうかは推論する者のひらめきにかかっている

このようにアブダクションには、想像力の発揮される余地が大きいといえる。

 

無目的ではアイデアが迷走する

(p.98)

ステップ1 最終ゴールを確認する

 ブリコラージュ思考は、まず「ゴール設定」からスタートします。

 ゴール設定とはすなわち、「何のためにアイデア出しの作業を行うのか」という目標の確認です。

 

(p.100)

◎ゴールは必ず「具体的」に

 そのゴールは、ブリコラージュ思考とは逆に、できる限り具体的に設定することが大切です。

 漠然としたゴールのままでは、漠然とした、現実味のない「使えない」アイデアしか出てこないというのは、ご想像どおりです。

 ですから、ブリコラージュの目標=設定したゴールは、明文化しておくことがおすすめです。

 スケジュール帳の目立つところに書いておく、あるいはスマートフォンや普段使うPCのトップ画面に表示させておく方法も有効です。

 何をもってして「ミッション・コンプリート」となるかを、いま一度確認しましょう。

 

自分を棚卸してみる

(p.102)

ステップ2 今ある素材を全部並べる

 ブリコラージュとは「あり合わせの材料で解決策を見つける」という考え方。

 つまり「今現在、あなたが持っている“材料”をすべて出して並べてみる」。

 これがステップ2です。

 

 手持ちの材料とは、いわゆる「データ」「資料」「見聞きした情報」のこと。

 商品のスペック、過去の販売データ、顧客データ、広告実績などなど、どんな細かいものでも、もれなく出していきます。

 ここで重要なのは、「この情報は関係ないかもしれない」と思えるようなものでも、排除せずに抽出すること。それが「自分の思い出」のようなパーソナルなものでも、一行に構いません。

 頭のなかから出してきた情報は、キーワードにして書き出します

 大きな紙を用意してもいいのですが、私は視認性が高く書きやすい、ホワイトボードの利用をおすすめします。

 まず、ステップ1で設定したゴールを中心に書き出します

 あとはその周りに、ランダムに、ゴールに関わるデータやキーワードを書き出していきます。

 

優劣をいったん解除して、すべてを平等に扱ってみる

(p.104)

◎ホワイトボードは机の上に置け!

 ここでのポイントは、とにかく「何でもいいから書く」こと。

 

 次に「ホワイトボードは上下を無視して使う」ということもポイントです。

 たいていのホワイトボードは、黒板と同じように上下がありますよね。

 しかし、これだと、「上に書いたものは重要なもの、下に書いたものはそうでもないもの」という捉え方をしてしまいます(これは複数の場合のみならず、ひとりで行った場合も同様です。自分自身で、そう思い込んでしまうのです)。

 ですから、できれば、ホワイトボードは大きな机の上に乗せてしまいましょう。

 そして、すべての情報に“優劣”をつけずに、並べてみてください。そして、材料である情報は平等に扱います。

 自分が重要だと思っていることや、業界的に重要な情報を優先するような並べ方をしてはゼロベースで考えることができません。

 すべての情報を平等に扱うことではじめて、思わぬ方向(キーワード)から、思いもしなかったアイデア「ブリコラージュ」がひらめくのです。

 また、ホワイトボードを上から眺める「俯瞰する」と、抱えている問題を客観視することができます。

 中心にある「ゴール」はいやでも目に入り、その周りのキーワードを、順番にではなく、一度に見ることによって、順番を重視した思考法=ロジカルシンキングを超えた発想ができるのです。

 

点と点がつながりだして、やがて線になっていく

(p.106)

ステップ3 差別化コンセプト(戦略)の決定

 ホワイトボードにデータや情報、キーワードを書き出したあとは、まずは中心にある「ゴール」に注目します。

 このゴールを頭の中心に置き、周りにあるキーワードは、一つひとつをあまり深く考えずに、ぼんやりと眺めているだけでいいでしょう。

 ここから、ゴールに到達するための道筋、すわなち「戦略」が浮かび上がります。

 

派手にぶちかます

(p.114)

ステップ4 具体的戦術を決める

 「戦術」とはすなわち、差別化したコンセプトをどのように打ち出していくか、という具体的な戦い方です。

 商品や企画、自分自身の立ち位置などを差別化したあとは、それをどうやってインパクトのあるかたちで、目の前の相手や世の中に打ち出していくのかを決めましょう。

 商品でいえば、プロモーションやマーケティング。仕事のやり方をブリコラージュで考えているなら、具体的にどう伝えていくかです。

 私がやった「プチサンボン」の例でいえば、「ティーン向けの雑誌にアピールした」というのが、戦術にあたります。

 「戦略が確定すれば、戦術はおのずと導き出されるもの」

 「戦術に関しては、これまでどおりできることをやればいい」

 なんて考えがちです。

 しかしこれは、企画やコンセプトは面白いのに、伝え方がつまらないようなもの。商品のクオリティがどれだけ高くでも、キャッチコピーや打ち出し方が下手だと、良さも魅力も伝わらず、結局売れないものになります。

 

 ですから、具体的戦術を決めるときにも、ブリコラージュ思考を使った「インパクトのあるひらめき」が必要です。

 

やり方はシンプルな方が良い

(p.117)

◎戦略と戦術は、同時に考える

 ここではステップとして「戦略」と「戦術」を便宜上分けましたが、実際のブリコラージュ思考では、戦略と戦術は同時に発想することが多いものです。

 口紅の戦略、戦術も「同じホワイトボード」のなかから出てきたということで、その意味がおわかりいただけるでしょう。

 「まずは戦略会議をする。そのあと、戦術の会議をしましょう」

 これでは、思考は「順番通り」のロジカルシンキングになりがちです。

 ブリコラージュ思考は、もっと自由な思考法であり、「結果を出すため、ゴールに到達するため」の思考法です。

 

 順に追ってものを考える、さまざまな情報を積み上げることが、ゴールへの道ではありません。ときには、戦術として素晴らしいアイデアがまず先にあり、それを活かすための戦略があっても、一向に構いません

 ゴールが決められていて、ランダムに情報(材料)が挙げられている。

 考える「手順」は、とりあえずこれだけ。

 あとは、あなたの自由な組み合わせと発想で、ブリコラージュをつくっていけばいいのです。

 

とっさの判断力を磨く

(p.128)

思考を磨く習慣4 「スピード重視」を意識する

 集中力を磨くことは、ブリコラージュ思考で瞬間的にアイデアを出す近道となります。直感が研ぎ澄まされることで、頭の回転も速くなるのです。

 ですから、日常生活のなかでも、モノを考える際にあえて「スピード」を意識することが有効です。

 もちろん、考えるスタイルは人によっても、状況によっても違います。じっくりと考えなければならない場合もあるはずです。

 しかし、ここは「トレーニング」と捉え、すばやく考え、すばやく回答することを心がけてみましょう。

 

 企画書をつくる際も、スピード重視。何日も机に向かってひとりで考えていても、結局は堂々巡りの考えを反映させたものしか出来上がりません

 情報を揃えたら、あとは時間を決めて、答えを見つけ出す。何も思い浮かばなかったら、とりあえず中断。時間を置いてあらためて取り組みます。

 これもトレーニング。積み重ねることで、あなたの集中力は研ぎ澄まされます。

 

きっかけ、原因を意識する

(p.132)

思考を磨く習慣6 「瞬間」を意識する

 「ティッピングポイント」という言葉をご存じでしょうか。

 徐々に広がっていったアイデア、流行などが、一気に社会全体に広がる瞬間(ポイント)、つまり、“火が付く”瞬間という意味のマーケティング用語で、マルコム・グラッドウェルの同名の著書がよく知られています。

 私も経験上、さまざまなティッピングポイントを目撃してきました。

 特に、新聞広告やタイアップ記事など、広告効果を実感したときが、その瞬間といえました。

 私が行っていたのは、あまり手を広げない「集中攻撃」

 広告媒体も手を広げず、「ここだ!」と思った媒体に集中的に広告を出す、あるいはウブロで行ったように店舗数をギリギリまで絞り、そこでの実績を声高に宣伝する、という方法です。

 まさにティッピングポイントは、「ひとつのコップに入れ続けた水が、一気に溢れ出す」という感覚でした。

 自分の仕事に限らず、世の中のさまざまなティッピングポイント=「瞬間」に注目してみましょう。

 あの商品は、いつから火が付いたのだろう?

 あの有名人は、いつから人気者になったのだろう?

 どんなヒット商品、有名人にも、ブレイクの“瞬間”があるはずです。

 そこに注目していることで、あなたの思考は自然と「ブレイク」を意識する思考になるのです。

 

ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

 

 

以上が、本書で印象に残った主な部分です。

 

ロジカルシンキング(論理的思考)について、数学の場合を例に挙げてもう少し検討してみると、そのメリットとデメリットが見えてくると思います。

 

数学における論理の構築は、

  1. 公理の選択
  2. 定理の決定
  3. 仮説の構築
  4. 仮説の証明

といったような作業を順番に行います。

 

例えば、「1+1=2」という定義は、その前段階で「ペアノの公理」を選択することによって成立しています。

 

ja.wikipedia.org

 

ja.wikipedia.org

 

公理(こうり、英: axiom)とは、その他の命題を導きだすための前提として導入される最も基本的な仮定のことである。一つの形式体系における議論の前提として置かれる一連の公理の集まりを公理系 (axiomatic system) という。公理を前提として演繹手続きによって導きだされる命題は定理とよばれる。多くの文脈で「公理」と同じ概念をさすものとして仮定や前提という言葉も並列して用いられている。

公理とは他の結果を導きだすための議論の前提となるべき論理的に定式化された(形式的な)言明であるにすぎず、真実であることが明らかな自明の理が採用されるとは限らない。知の体系の公理化は、いくつかの基本的でよく知られた事柄からその体系の主張が導きだせることを示すためになされることが多い。

 

kotobank.jp

 

数学の理論をつくるときの基礎におかれる命題で,無証明命題ともいわれる。公理という言葉は,ユークリッドの『原本』に述べられた公準および共通公理からきたものであるが,のちに,幾何学を構成する際の基礎におかれる命題の意味に使われるようになった。しかし,現在では,数学のあらゆる理論は,公理と呼ばれる基礎の命題から出発して,純粋に論理的に組立てられている。ある一つの理論の基礎におかれた公理全体を,公理系あるいは公理群という。

初等幾何学における公理としては,点や直線や平面の基本性質のほか,平行線,結合,合同,順序,連続性などの基本的性質があげられる。また環や体の公理といえば,「加法の結合法則」をはじめ「乗法の結合法則」「分配法則」など演算の諸法則のうちのいくつかをさしていう。特に可換体は演算の諸法則の全部を公理系としている。

 

最初に選択する公理を変更すれば、その後の作業で行われる定理の決定や仮説の構築などの結果も変わってきます。

言い方を換えれば、公理の選択次第で、いくらでも無矛盾の論理体系は作れるのです。

ペアノの公理を選択しなければ、「1+1=2」にはならない論理体系も構築できます。

 

このように論理的思考では、最初の前提条件(=公理)の選択を柔軟に行なえる方が、より自由な思考をもたらすでしょう。

 ロジカルシンキングの前に、ラテラルシンキング(水平思考)を行う意義は、この公理の変更の作業に該当するでしょう。

 

数学ではなくビジネスの場でラテラルシンキングを活用するための方法論として、本書で提唱されているブリコラージュ思考は、興味深く、役に立つ面が多々あると思いました。

本書を参考にして、手元にある材料でアイデアの実現に邁進してみたいと思います。