浜村拓夫(・∀・)作品集

頭の中にあるイメージを表現できるデザイン力が欲しいです(><)

夢を叶えるための勉強法

勉強法の本をAmazonで探していたら、東大生が書いた本がありました。

他人の勉強方法を参考にするため、何冊か読んでみたいと思います。(ザッピング)

 

 

夢を叶えるための勉強法

Amazonのレビューで高評価だった本がありました。

その1つが、鈴木光著「夢を叶えるための勉強法」という本です。

 

 

表紙を見たら、人気の理由が容易に予想できました。(才色兼備)

本の巻頭には、著者である鈴木光さんの撮り下ろし写真が15ページに渡り掲載されており、アイドルのミニ写真集のような作りになっていました。

編集者も、ファンのニーズを明確に理解していることが分かります。

 

www.amazon.co.jp

 

手垢の着いた内容で、単に可愛くて優秀というだけで本になっている感じ。

特に目新しい内容はない。

最初に スタジオで一日で撮影されたと思えるご自身のモデルのような写真が沢山カラーで載っているけれど、1部のファン以外は、欲しい写真ではないと思う。具体的な作ったという資料とか、本棚とか、勉強机とか見たいのでは?目標は何処に書いておいたの?

 

ケチの付け方がブスの嫉妬のようなレビューだと思いましたが、逆説的に言えば、美人は男からの誘惑も多いのに、著者が勉強に集中できた要因は何だったのか?という情報が得られる可能性を期待できるでしょう。

 

ミニ写真集になっているのは、ファンに向けて書かれた本だと割り切れば別に良いのでは?

敢えて言うまでもないことではありますが、資本主義経済社会において、企業はボランティアで商品を作っているのではなく、商業的な利益を出すために商品を販売しているのだから、買ってくれる客=著者のファンに向けた構成になるのは止むを得ない事でしょう。

その上でなお、美人を批判するなら、社会に蔓延しているルッキズム自体を根本的に解消するソリューションを提供しなければなりません。解決策がセットで提示されていない批判は単なる悪口と変わらず、言っている者の頭の悪さ露呈しているだけでしかないのです。

 

ルッキズム(外見至上主義)の解決策

ルッキズムとは、見た目で人を評価することで、「外見至上主義」などという訳語も当てられています。

 

ja.wikipedia.org

 

ルッキズム(lookism)とは、外見に基づく差別または偏見である。

主に人間が、視覚により外見でその価値をつけることである。

「look(外見、容姿)+ism(主義)」であり、外見至上主義、美貌差別、外見差別、外見を重視する価値観などとも呼ばれる。

「容姿の良い人物を高く評価する」「容姿が魅力的でないと判断した人物を雑に扱う」など、外見に基づく蔑視を意味する場合もある。

 

実際、人間は初めて会う人に対して、目で見える情報しか得られないので、ルッキズムが蔓延するのは仕方がないことなのです。テレパシーやドラゴンボールスカウターのような手段で、相手の内面(性格、嗜好など)も初対面ですぐに分かるようになれば、ルッキズムも解消されていくかもしれませんが、実現はなかなか難しいでしょう。

 

ルッキズムを解決する一つの方法は、解剖学を学ぶことです。

X線などを使えば、レントゲン写真のように人間の体内も見ることができますが、人間の肉眼は可視光線(約400~800nmの波長)しか観測できないので、結果的に体表=皮膚しか見えないのです。顔や体形など、体の外面しか見えないので、最初は判断材料がそれしかないのです。

知性が低い人は、少ない判断材料を基にして物事を考えるので思考が偏っており、ルッキズムという誤謬に陥ってしまうのです。

 

もしも他人について、外面だけでなく内面の情報も得られるようになれば、どのような変化が生じるでしょうか?

例えば、この人は表面的には美人だけど、体内には虫歯がある、歯槽膿漏で口が臭い、痔で尻が汚れている、などの情報が得られたら、美しい面しかないわけでないことが理解できるようになり、マイナスの評価も加味されてフェアに判断できるようになっていきます。

 

極論すれば、全ての人間は糞尿製造機でしかないのです。ルッキズムに汚染された愚者には受け入れがたい現実かもしれませんが、真実とは往々にして身も蓋もない話なのです。(もしも、糞尿を排泄しないでも生きていられる人間が存在していたら、例外もあることになります。そんな人間がいたら、医学の研究に役立つので是非紹介してください。)

解剖学を学べば、糞尿を製造している胃腸の仕組みだけでなく、頭部や生殖器の中身も理解できるようになります。

人間のハードウェア(物理)の部分については解剖学を学び、ソフトウェア(論理)の部分については心理学などの知見を得て理解を深めることで、ルッキズム等の偏見を治療できるようになるでしょう。

 

解剖学の本はたくさんありますが、初心者には坂井建雄先生が書いた本や監修した本が分かりやすいと思います。 

 

 

 

 

 

肉付け学習法で、まずは解剖学の基本(骨200個、筋肉200個の部位と名称)を覚えたら、より詳細な人体構造を知るために分厚い専門書へ進めばOK。

解剖学の専門書は、人によって好みが分かれるところですが、個人的には「グレイ解剖学」が分かりやすいと思いました。

 

 

 

体の表面だけでなく、体内構造にも精通しているはずの外科医とかでも、ルッキズムやスカトロ趣味(糞尿愛好家)の人もいるでしょう。彼らに不足している判断材料は上記のように、人体のハード面(肉体)だけでなくソフト面(精神)の領域に関する知見なのです。

いくら美人で虫歯や歯槽膿漏や痔がなくても、いつも嘘ばかりついて信用できないなど性格がブスだったら、マイナス評価が加味されていくでしょう。人間の内面の観察は、外面の観察よりも時間がかかる傾向があります。つまり、人間の内面という抽象的な対象は、人間の外面という具体的な対象よりも、正確な観察が難しいと言えます。

従って、学習の順番としては、具体的な内容から抽象的な内容へと歩を進めないと、いきなり抽象的な内容を理解するのは難しいので、順番としてはまず解剖学から着手していく方法でOKなのです。

 

ルッキズムの欠点とその修正方法について話が長くなりましたが、本題に戻りましょう。

 

目次

はじめに

 

序章 探る 勉強目標・計画を立ててみよう

 まずは自分なりの目標を建てよう

   勉強の第一歩は目標を立てること

 ステップ1 ざっくりとした「大目標」を立てよう

   「大目標」は勉強の方向性を定める目安

   「大目標」の立て方のヒント

   憧れの人を見つけて目標にしてもいい

 ステップ2 具体的な「中目標」を立てよう

   「中目標」は勉強の内容を定める指標

 ステップ3 現実的な「小目標」を立てよう

   「小目標」は今取り組むべき課題

 定期テストも目標を設定して対策しよう

   「中目標」から必要な「小目標」を逆算して実行する

 Column1 まさか「東大王」になるなんて

 

第1章 知る 問題を解くための「考え方」を身につけて勉強を始めよう

 問題を解くときの4つのプロセスを知ろう

   どんな問題でも解けるようになる近道とは

 必要なのは「ひらめき」ではなく「蓄積」だと知ろう

   問題を解くのにひらめきはいらない

 重要な3つのインプット法を身につけよう

   問題を解くために必要な3種類のインプット

   1.問題のパターンをつかむために共通点を探す

   2.最初は完コピで解く手順を身につける

   3.必要な知識は出合う度に覚える

 2種類のアウトプットを実践しよう

   知識は実践できるようにする必要がある

   1.例題と同じパターンの問題を短期間でたくさんの量をこなす

   2.時間を空けてから違ったパターンの問題をまとめて解く

 アウトプットを楽にする方法を知ろう

   「できる問題」は解かなくていい

   解く過程を工夫することで時短

   早く解くための方法その1:声に出して解く

   早く解くための方法その2:答案の骨子だけを各

 インプットとアウトプットは交互に行おう

   それぞれ高め合う相互作用を利用する

 Column2 「東大王」になって良かったこと

 

第2章 憶える 知識を自分のものにしよう

 暗記の基本的なコツをつかもう

   覚える能力は鍛えることができる

   コツその1:問題形式で記憶を確認する

   コツその2:苦手なところを重点的に確認する

   コツその3:分割してちょっとずつ覚える

   コツその4:忘れかけた頃にまとめてチェックする

   コツその5:日をまたいでさらにチェックする

 応用的な暗記の仕方 その1 「理屈」で紐付けよう

   なぜ? を考えてから覚える

   科目の垣根を越えて知識を紐付ける

 応用的な暗記の仕方 その2 ゴロ合わせを使おう

   丸暗記すべきものは音で覚える

 応用的な暗記の仕方 その3 全体に共通する原則を探そう

   原理原則を覚えれば全体の暗記量を減らせる

 応用的な暗記の仕方 その4 図表にして覚えよう

   情報量が多いものは図示して把握する

   ①流れを覚えるときはフローチャート

   ②グループ化にはツリー図(樹形図)

   ③たくさんのものを比較するときには表

 Column3 好きなことと苦手なこと

 

第3章 整える 勉強を続けられる環境をつくろう

 勉強の密度を上げるポイント その1 質を上げよう

   勉強量=「時間」×「質」を意識する

   ①タイマーを使って勉強時間を区切る

   ②夜にしっかり寝る

   ③どうしても眠いときは時間を決めて昼寝をする

   ④自分を誘惑するものから物理的な距離を置く

   ⑤人目のある場所で勉強する

 勉強の密度を上げるポイント その2 時間をのばそう

   勉強時間はコツコツのばすのが前提

   ①1日の勉強の総時間を記録する

   ②休憩をはさむ

   ③勉強場所を変えてみる

   ④ほかの時間を節約する

 1人の時間を有意義に使おう

   後で楽をするために授業を能動的に受ける

   宿題や小テストにも全力で取り組む

   細かい時間を有効に使う

   布団の中で暗記物をする

 友達との勉強をするときのポイントと注意点を知ろう

   ほかの人との勉強を有意義にする方法

   人に勉強を教える

   勉強会をする

   集まって「自習会」を開く

 Column4 質問にお答えします 学生さん向けQ&A

 

第4章 正す 結果を振り返ってやり方を修正してみよう

 ステップ1 「小目標」は記録して達成度合いを振り返ろう

   人と比べて評価せず自分の目標を基準にする

   目標をどれぐらい達成したか記録する

   目標が達成できなかったら10日以内に立て直す

   ペースを戻せなかったら理由を分析する

 ステップ2 「中目標」は次の戦略の指標にしよう

   達成度を可視化する

 ステップ3 現状分析をして改善点を明らかにしよう

   1日の過ごし方をざっくり記録する

   テストの結果を見直して分析を行う

   改善点を見つけてやり方を修正する

 Column5 質問にお答えします 保護者向けQ&A

 

第5章 突破する 科目別の攻略法

 まずは入試試験で合格するための目標を立てよう

   目標は志望校の数だけ定める

   【試験日】を常に意識する

   【試験の方式・科目】を把握する

   【問題の傾向・レベル感】をつかむ

 英語 単語力がすべての基礎になる

   英単語を覚えるポイントは「つづり・発音・意味・使い方」

   英単語を徹底的に覚える方法

   和訳問題~1語1語丁寧に訳す~

   英訳問題~基本的な文法を正しく使うことが大事~

   リスニング~単語に反応するスピードとメモの取り方が重要~

   長文読解~「接続語」に注意して論理を追う、中断しない~

   英作文~人に採点してもらう~

   英語検定TOEFLなどでも過去問対策は怠らない

 国語 国語こそ、論理的に解こう

   現代文~選択肢をとにかく切る~

   古文~単語と文法をマスターすれば必ず勝てる~

   古文~「品詞分解」と「現代語訳」で基礎力をつける~

   漢文~単語と句法をマスターすれば必ず勝てる~

 数学 徐々にレベルを上げていく

   数学は基礎が固まるとバーンと成績が跳ねる

   解法パターンを地道にストックしていく

   共通テスト対策では時間配分が大事

   引きの目線で「見通し」を必ず行う

 社会 直前まで諦めない

   理屈と紐付けて暗記量をなるべく減らす

   「大きな流れ」を把握してから「細かい部分」を理解する

 理科 暗記と演習は同時進行で

   早めに問題に取り組む

   理屈とゴロ合わせでどんどん暗記する

 特別編 東大推薦入試対策

   私が推薦入試合格のために心がけたこと

   私の東大受験体験記

   推薦入試を受験したい方へのメッセージ

 

終章 さまざまな学ぶ場

 「勉強」以外にもたくさんの学びがある

   努力が報われるのは勉強に限らない

   芸能界からの学び

   東京大学での学び

   『東大王』からの学び

   瀧本ゼミでの学び

   弁護士になるための学び

 

おわりに

 

著者紹介

鈴木 光 SUZUKI HIKARI

2020年12月現在、東京大学法学部4年次在学中。

1998年東京都生まれ。

2014年、松本清張記念館中高生読書感想文コンクールで優秀賞受賞。

2015年、アジア太平洋青少年リーダーズサミット参加、Stanford e-Japanプログラムで最優秀賞受賞。

2017年、国立筑波大学附属高校を卒業し、東京大学文科Ⅰ類に現役合格。

同年5月瀧本ゼミに所属。

同年11月からTBS系『東大王』にレギュラー出演中。

『東大王』『プレバト!!』等多数の番組に出演。

2019年司法試験予備試験合格。

本書が初の著書になる。

 

鈴木光さんは司法試験に合格して、現在は弁護士として活躍されているそうです。

 

www.nishimura.com

 

出版社情報

 

www.kadokawa.co.jp

 

スタッフ

撮影 玉井美世子

スタイリング 西村茜音

ヘアメイク 齊藤沙織

デザイン APRON(植草可純、前田歩来)

DTP 株式会社ニッタプリントサービス

校正 株式会社鷗来堂、株式会社文字工房燦光

構成協力 村上杏菜

編集 平井榛花

撮影協力 studio douz 目黒碑文谷

衣装協力 STASTNY SU Fumiku

 

書評

 

bookmeter.com

 

本の内容そのものは、一般的な勉強方法として理に適ったものであり、言われてみればいちいちもっともな話だと思いました。

何か特別な勉強方法が紹介されていたか?と言えば、特にはなかったです。

勉強方法の優劣に美人とかブスとかも関係ないですね。

 

他の勉強法の本も読んでいる人なら、本書の内容も特に目新しいことはないでしょう。

しかし、頭では分かっているつもりでも、実践に結び付けるまでに至っていない人が多いのではないかと思います。

 

鈴木光さんの勉強に取り組む動機付けはどこにあったのでしょうか?

本書の記述内容から推察するならば、理想の社会を作っていきたいという理念を持っており、それがモチベーションの源泉になっているように思われました。

 

以下に、鈴木光さんが勉強のやる気を作り出すために使っていた考え方が読み取れる箇所をメモ。

 

(p.186) 質問にお答えします 保護者の方向けQ&A

Q「ご両親の教育方針について教えてください」

 驚かれるかもしれませんが、私は両親に「義務教育をちゃんと受けていれば、高校すら行かなくてもいい」「自分の好きだと思うことをしなさい」と言われて育ちました。

 

「自分がやってみたいと思うことにために生きなさい」「若いうちはまずはやってみてたくさん失敗しておきなさい。小さいうちに失敗しておくと大人になってからの失敗に強くなれる」というのが我が家の教育方針です。

 

 「時代が変われば価値も常識も変わっていくけれど、どんなことが起きても、身について教養だけは誰にも奪うことができない。我が家が子ども達に残せるのは教育だけ」というのが親の口癖です。その教育は勉強に固定されたものではなくて、音楽でも美術でもゲームでもなんでもいいのだそうです。

 私は英語が日本人としては得意な方ですが、我が家の幼少の頃の教育法は、机に向かう勉強はさせないというとても変わったものでした。インターナショナルスクールに入れたのも、ホストファミリーをしたのも、生活している中で子ども自身が英語で話す必要性を感じて自然と話して欲しいと思ったからだそうです。

 こんな風に自由に育てられたので「やらされる勉強」ではなく「自分が必要と思って取り組む勉強」を私はするようになったのだと思います。

 

 子どもは当時の私も含め、人生の経験値が低いので、大人に比べて知っていることも気付くことのできる範囲も限られています。

 「子どもが勉強をしなくて困っています」というコメントをいただくことがあるのですが、もしかするとお子さんが勉強しないのは、勉強をした先にどんな世界があるのか、どんな意味があるのかが分からないのかもしれません。

 本人が好きなことや興味のあることについて一緒に話をしながら、そのために何が必要で、どんなことをすべきか、さまざまな選択肢を見せてあげると、お子さんは自らの意志で自分のやりたいことを選びとって進んでいけると思います。

 

  • 自分がやりたいこと(目標・理想)を実現するために必要な方法(手段・勉強)を検討する。
  • 他人から命令されてやらされることではなく、自分がやりたいことを自律的にやるなら、勉強でも何事でも積極的に取り組める。

 

勉強はどんな分野でも

  1. 興味(関心)
  2. 時間(環境)
  3. 教材(教師)

の3つが揃えば、誰でも一定の成果は出せます。

このうち、興味は他人から与えられるものではなく、自分の中から自発的に生じるものとなります。

興味とは、例えるなら数学の「ベクトル」のようなものであり、自分が向かう対象を規定して、行動するときのエネルギー源となるものでしょう。

興味についての詳細な分析は、別の機会に譲るとして、鈴木光さんのご両親も本人の興味にスポットライトを当てて、教育方針を立てていたことが伺えました。

 

(p.237) 私の東大受験記

 高校2年生の春頃に、担任の先生から「東大でこのような入試制度があるんだけれど、鈴木さんも挑戦してみたらどう?」と声をかけていただいたのが東大推薦入試を選択肢の1つとして考えはじめたきっかけです。

 法学部の推薦入試について調べる中で、推薦入学者だけは大学1、2年生から専門分野のゼミに応募することが許可されると知りました。(東大は一般入試で入ると1、2年生の間は教養学部前期課程に所属し、専門の学部に入ることは原則できません)。

 将来は法曹になりたいと考えていた自分にとって、とても魅力的な制度なのではないかと考えるようになりました。

 

 実際に推薦要綱を見てみると、志望理由書・論文・社会貢献を証明する資料など、非常に多くの資料の提出が要求されていると分かりました。

 そして私は、「自分はこの条件に合致している。高3の秋までには大変そうだけれど、なんとか条件をそろえることができるはず。それならチャレンジしてみよう」と、一般受験と並行して東大推薦を受ける決意を固めたのです。

 

 高2の春から秋にかけては、高1の春に選考を通過していたアジア太平洋青少年リーダーズサミットとStanford e-Japanプログラムなどの国際的な教育プログラムでの活動に打ち込みました。そこで興味をもった「南アジアでの女性の人権問題」については、活動後も自主的に調べるようになります。

 高3の4月に、自主的に調べを重ねる中で関心をもったテーマで論文を書こうと決め、7月頃までに第一稿は書き終えました。ちなみに、そのテーマは「インド・パキスタンでの名誉殺人についての判例と法解釈の変遷」というものです。

 

「名誉殺人」とは、家族の名誉を守るという大義名分のもとに、親族を殺す私刑(リンチ)です。

イスラム教の国など、教育水準が低い社会では、現在でもこの悪習が行われているそうです。

 

ja.wikipedia.org

 

 

 

もしも、日本で名誉殺人が認められてしまったら、性産業に従事する女性は皆殺しにされてしまうことでしょう。(幸い、日本の法律では名誉殺人は犯罪であり、日本国民から承認を得られていません。)

 

鈴木光さんは、女性の人権問題に興味を持ち、高校生のときに論文を書いていたそうです。

法律とは社会のルールであり、紛争を解決するための判定基準として運用されるものです。

無人島で一人生活しているような人は別として、共存が必要な社会に参加する者たちが円滑に合意形成を図る手段として、法律の整備が必要となります。

日本と外国では法律に違い(リーガル・アービトラージ)が存在しています。

日本人が外国の法律を変えることは内政干渉になるので直接はできませんが、トラブル解決に役立つ部分があるならば、日本の法律を海外へ輸出する努力も必要でしょう。

 

このような高い問題意識を持っていたことが、法律に興味を持ち、法学や司法試験の勉強に取り組む動機付けに寄与していたのだろうと推察されます。

 

(p.265) 弁護士になるための学び

 私の将来の夢は企業法務弁護士で、この仕事に就くために私は一緒に司法試験予備試験を目指してきた友人達と膨大な時間を勉強に費やしてきました。

 そして今、司法試験に挑戦中です。

 この職業を目指すことにしたのは、高校1年生のときに弁護士の先生3名にお会いしたことがきっかけです。

 お話を伺う中で、私達が何気なく口にしている食品も、実は先生方が日本の権利を守ってくださっているからこそ食べられるのだと知り、その仕事の大切さに気付きました。

 また、そんな素晴らしい活躍をされている方々なのに、ただの高校1年生の私に対してすら、真摯にお話ししてくださいました。その姿に感動したからこそ、私は弁護士を目指したいと思ったのです。

 

歴史を学ぶと、現代社会で当たり前のように享受している恩恵は、先人が権利を勝ち取るために戦ってくれたおかげ、というものが多々あります。

鈴木光さんの場合は、日本の食糧安全保障を守るために活躍されている弁護士を知り、その仕事の大切さに気付いた、ということだったのでしょう。

 

「社会を変えていく」ということは、同時に社会のルールである「法律」の変更に裏打ちされていることでもあると言えます。

自らの理想に近付くための手段として、法律の専門家を選んだ鈴木光さんが、法律に関する勉強をしたら一定の成果が出せたと。そのときの勉強方法のノウハウが、本書でいろいろと紹介されていました。

 

問題の種類

我々が解決すべき問題は、「既決問題」と「未解決問題」の2種類に分類できます。

 

  • 既決問題とは、すでに解決方法が分かっている問題です。
  • 未解決問題とは、まだ誰も解決方法を知らない問題です。

 

大学の入試問題などは、答案を採点するための基準、すなわち正解が用意されており、問題の解き方が分かっているタイプの「既決問題」の典型です。

科学の新発見などは、今まで誰も答を知らなかった問題を解くタイプの「未解決問題」の典型です。

 

本書で扱っている勉強法は、主に大学受験を前提として書かれているので、前者の既決問題に取り組むためのコツということになります。

解決方法が分かっているタイプの問題は、真面目にコツコツと取り組む姿勢があれば誰でも成果を出せます。

 

プログラミングを勉強してアプリやサービスを作る場合も、その大半は答(プログラムの作り方など)が分かっているので、勉強の難易度としてはそれほど難しくありません。

自分が取り組みたい課題が、既決問題の場合なら、本書で紹介されている勉強方法が参考になると思いました。

 

未解決問題の取り組み方

まだ誰も解決方法を知らない未解決問題に取り組む場合は、既決問題とは違うアプローチも必要となります。

 

人間の知的活動の成果、形態、段階には3つあります。

 

  1. 知識:言葉で表現できる様々な知見、情報。知識に秀でた者を「ガリ勉」という。
  2. 知能:知識を組み合わせて利用できる才能。知能に秀でた者を「秀才」という。
  3. 知恵:現象を観察して法則性を見出せる能力。知恵に秀でた者を「天才」という。

 

小中高のK-12教育や大学などの学校教育によって得られる能力は、既知問題の解法であり、主に上記(1)や(2)のレベルにとどまっています。

社会に出ると、学校では教えてもらわなかった未解決問題に取り組む機会が多くなり、(3)知恵のが必要になります。

ニュートンが木からリンゴの実が落ちるのを見て万有引力を発見したように、物事をありのままに観察して、その現象を成立させている法則性を発見できるようになれば、知恵が磨かれていきます。

 

本書で紹介されていた勉強法には、このような未解決問題を解くための能力を鍛える方法は含まれていませんでした。

その点を踏まえつつ、本書で紹介されていた勉強法を活用すれば、(1)知識、(2)知能の獲得までなら役立つかもしれませんね!