浜村拓夫(・∀・)作品集

頭の中にあるイメージを表現できるデザイン力が欲しいです(><)

勉強法の本

勉強法をまとめた本がありました。

『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』という本です。

 

 

 

巻末に調査対象となった本のリストがありました。

本書の発行日は2022年9月20日となっていたので、それ以降に発売された勉強法の本は調査対象になっていませんね。

 

例えば、「アクティブリコール」について説明してある「科学的根拠に基づく最高の勉強法」は2024年2月15日発売の新刊なので紹介されていませんでした。

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=DDGVsAWgdYc

www.youtube.com

 

www.google.com

 

アクティブリコール

 

アクティブリコールそれ自体は、以前から知られている勉強法です。

「Active Recall」は日本語訳で「想起学習」などと呼ばれており、能動的に思い出す訓練を行なう勉強法です。

本書にもアクティブリコールに関連する項目がありました。

 

14位 「人に話す」と記憶が定着する

(p.108~p.111)

 

「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 p.108

 

「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 p.109

 

「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 p.110

 

「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 p.111

 

14位 「人に話す」と記憶が定着する

は、

26位 音読すると、記憶力がアップする

と併用すると良いと思いました。

 

具体的には、本を読んで覚えたい箇所があれば、音読して自分に対して説明するかんじで読むことです。

覚えたい箇所だけ、何度もリピートして音読すれば、印象に残りやすいと思いました。

 

・アクティブリコールで、理解の程度を確認する。

・覚えたい箇所=印象に残したい箇所は、音読を繰り返して、データのインプットを強化しておく。

 

本書には、他にも有用な学習法が紹介されていたので、知らなかった部分については参考にしたいと思います。

また、巻末の参考書リストには読んだことがない本もあったので、チェックしてみたいと思います。

 

勉強のコツ

そもそも論として、

「勉強」とは何か?

という大前提は本書で問われていないかんじでした。

 

人間と動物の違い=言葉の有無

人間や他の動物を観察すると、両者の違いが分かります。

人間は他の動物と違って、言葉を使うことができます。

 

猿などのように高等生物の中には、多少の言葉を持っている動物もいますが、やはり人間と比べたら語彙数は少ないものです。

人間は本を書けますが、動物で本を書いたり出版している生物種は見た事がありませんね。

 

人間は、言葉を使うことによって、得た知識を伝えることができます。

他人が書いた本を読むことによって、人間は知識を習得することができます。

知識の習得によって、自分で試行錯誤しなくてもある程度のノウハウを得ることできるので、人間は人生をショートカットできますね。

 

従って、言葉を使わない人や本を読まない人の知性は、犬や豚と大差がないと言えるでしょう。

身近に勉強しない人がいたら、その人の知性のレベルを観察してみましょう。

 

問題の分類

人間が取り扱う問題は(分類法にもよりますが)

  1. 未解決問題
  2. 既決問題

の2種類に分類できます。

 

未解決問題は、まだ解決方法~答えが分かっていない問題です。

ノーベル賞を受賞したiPS細胞の研究などは、未解決問題に取り組んだ事例と言えるでしょう。

 

既決問題は、解決方法が分かっている問題です。

学校の受験や資格試験の問題には、必ず正解が用意されています。

なぜなら、正解が用意されていないと採点ができないからです。

 

本書でいうところの勉強とは、主に後者の既決問題に関する勉強法だと思いました。

 

データの分類

人間が知的活動で取り扱うデータは(分類法にもよりますが)

  1. 知識 knowledge
  2. 知能 intelligence
  3. 知恵 wisdom

の3段階に分類できます。

 

1. 知識 knowledge

知識とは、物事に関する情報のことで、本や教科書に書いてある内容のことです。

辞書的な意味では、「ある事柄などについて、知っている内容」ということになります。

 

kotobank.jp

 

2. 知能 intelligence

知能とは、知識を組み合わせて使いこなす才能のことです。

具体的には、事務処理能力などが知能に該当します。

辞書的な意味では、「問題解決をめざして思考を行うなどの知的機能」ということになります。

 

kotobank.jp

 

3. 知恵 wisdom

知恵とは、物事をありのままに観察して、法則性などを発見する能力のことです。

具体的には、科学者などが因果律に基づいて推論し、新しい知識を得る能力です。

辞書的な意味では、「物事をありのままに把握し、真理を見極める認識力」ということになります。

 

kotobank.jp

 

最近、ChatGPTなどの生成AIが流行っていますが、これらのAIはその仕組みを見れば分かる通り、人間の知能を代替するものです。

大量の学習データをインプットして、複雑な統計処理を行ない、あたかも人間が会話するような表現を実現していますが、まさに上記の知能の説明にピッタリ当てはまりますね。

 

勘違いしてはいけないのは、生成AIは①学習データと②統計処理の2つによって性能が決まっているのであり、これらがないと今の生成AIは作れません。

従って、生成AIには知恵がないことが分かります。

生成AIの仕組みを知らない人で、生成AIが人間の知恵を代替するものと勘違いしている人は、すでに知恵がないと言えますね?

 

知恵を必要とする科学者になるわけでなければ、普通は知識と知能でも十分です。

受験とか資格の取得とかなら、教科書や参考書や問題集などを使って、知識と知能を補えば解決します。

 

学習の条件

植物が成長するには、種を植えて

  • 栄養
  • 温度

などの必要条件が揃えば、芽が出てきて成長します。

どれかが欠けていると、植物は成長できませんね。

 

勉強も農業と似ているところがあります。

勉強も条件が揃えば結果を出せます。

 

知識や知能を獲得するための勉強=既決問題の解決方法を習得する条件として、

  1. 興味
  2. 教材
  3. 時間

の3つが揃えば、誰でも勉強で一定の成果を出せます。

 

1. 興味

人間の行動原理は、心理学者・フロイトの提唱している「快楽原則」があります。

 

ja.wikipedia.org

 

人間が快楽を求め苦痛を避ける

 

人間は

①喜びを求めて

②苦しみから逃げる

という方向で動く傾向がありますね。

 

勉強もこれと同じで、

①得意分野を伸ばしたり、

②苦手分野を克服したり、

という方向性がありますが、快楽原則に照らし合わせると、得意分野を伸ばす方が簡単です。

 

自分が興味の持てる分野に関しては、勉強して知識や知能を得ることは簡単です。

逆に全く興味が持てない分野の勉強や、自分が嫌いな分野(苦手)の勉強や、他人からやれと言われて無理矢理やらされている勉強は、なかなか成果が出せないでしょう。

(これを勉強しないと死ぬというような極端な状態なら、無理矢理でも勉強はできるでしょうが)

 

従って、まず成功に必要な第1の条件は、勉強する対象に対する興味です。

自分が知りたいと思っている対象なら、積極的に勉強に取り組めます。

 

興味が持てない場合は、どうすれば興味が持てるようになるでしょうか?

「解釈学的循環」という考え方を参考にして、学習における興味の作り方を検討してみましょう。

 

ja.wikipedia.org

 

ディルタイは、その解釈学において、「全体の理解は部分の理解に依存し、部分の理解は全体の理解に依存する」ということを指摘し、何かを解釈する際には、全体の理解と部分の理解が、どちらが先でどちらが後であるとは言えない、循環的な関係にあることを問題にした。

 

「鶏が先か、卵が先か」という話のように、勉強における興味も、順番がよく分からない場合があると思われます。

 

  1. 興味があるから勉強するのか?
  2. 勉強したから興味が湧いてきたのか?

という具合に、興味と勉強の順番に前後関係(因果性)はあるのでしょうか?

結論から言えば、この両者はどちらも成立します。

 

最初は興味がなくて、なんとなく勉強しているだけでも、そのうち対象への理解が深まり、仕組みが分かってくると面白いと思えて、やっと興味が持てるという段階が訪れます。

例えるなら、使い方がよく分からないオモチャを子供に与えた場合などです。

最初は使い方がよく分からないので、そのオモチャの楽しさが分からないのですが、適当にいじっていて使い方がだんだん分かってくると、やっとそのオモチャの面白さに気付くというような事例です。

 

ただし、注意すべき点としては、オモチャの使い方は分かってきたけど、やっぱ遊んでいてそれほど楽しくない、と感じる場合もあることです。

 

とりあえず、ある対象/分野を勉強してみて、理解が深まったけど、別に面白いとは思ないという状況もあろうかと思われます。

その場合には、勉強したみたけどやっぱ興味が持てないという判断を下して良いと思います。

自分には向いてない~必要ないと判断したら、他のことに時間を使うべきでしょう。

 

2. 教材

せっかく興味があっても、適切な教材がなければ、勉強は進みません。

 

教材は本など過去のデータのことですが、古い情報=死んだ情報だと、せっかく勉強しても時代遅れで、問題解決に役立たないということもあるでしょう。

教材として、生きた教師がいれば、最新の情報=生きた情報を得ることもできるかもしれません。

ITなど日進月歩で、すぐに情報が陳腐化してしまう分野などであれば、情報源となる教材のアップデートに目配せが必要でしょう。

 

いずれにしろ、教材がないと自分で試行錯誤して知識や知能を得ることになるので、時間がかかります。

勉強の成功条件として、2番目に教材の存在が重要です。

 

受験や資格で使う教科書や参考書は、実際に自分に合ったものを探すことが大切ですが、市販の本なら内容にそれほど大差はありません。

 

(参考)資格試験に一発合格する人は、「これ」しかやらない 忙しい社会人のための「割り切る勉強法」

(p.51)

 今、「厳選した」と述べましたが、実はそれほど自分で厳選する必要もありません。市販されている参考書や問題集は、市場の競争にさらされています。どの出版社も、よく売れているものを徹底的に研究して、それ以上にわかりやすくするために、図解やイラスト、マンガを加えるなどの工夫を凝らしています。

 こうして参考書や問題集は常に改善され続けているので、現在ではどれを選んでもそれほど大差がないほど充実した内容になっています。

 いわば、自分で「厳選」しなくても、市場が「厳選」してくれているのです。

 

自分に合った説明の教材を探すコツは、同じ項目について各本でどのように説明しているか?を比較検討することです。

 

例えば、ネットワークの教科書を探す場合、基本事項の1つである「IPアドレスのサブネット化」(ネットワークの分割、CIDR、VLANなどの話)に関する説明を読み比べてみます。

どの本でも説明内容は正しいとしても、説明方法が若干違ってるはずです。

自分が一番分かりやすいと思える説明をしている本なら、自分に合っていると言えるでしょう。

 

 

 

あと、専門書なら巻末に索引があることも重要です。

索引がない本は、リファレンスとしては使いづらいでしょう。

編集者が怠慢だと索引を作らない場合もあるので、使えない本である可能性があります。

(ジャンルによっては索引がなくても困らない本もあるので、一概にダメ本とは言えませんが)

 

3. 時間

さて、興味と教材があったとして、勉強する時間がないと勉強は進みません。

忙しいという人でも、1日24時間の活動を記録してみたら、どこかには多少の隙間時間があるはずです。

時間を捻出する工夫をして、勉強時間を確保しましょう。

 

本書では、時間の使い方に関するノウハウも紹介されているので参考になります。

 

まとめ

本書を参考にして、勉強方法を改善していきたいと思いました。