独特のルーティンで話題になったラグビー日本代表の五郎丸選手。
五郎丸選手のインタビューで、参考になる考え方があったのでメモ。
インタビューで彼が強調したのは、「失敗から学ぶ」という姿勢。
「この4年間、努力してよかった。失敗して初めて気づくことが多かった」
キックの精度を高める訓練を続けて、キック1つ1つの映像を撮って自己採点してチェックする日々を送って、今回のW杯で活躍につながった。
「失敗しないと自分自身が得るものが少ない。成功ばかりしていても(だめ)」
「不安はない。成功するのが楽しみではなく、失敗していろいろなことに気づくのが楽しみ」
「このまま日本でプレーし続ければ失敗もせず指摘もされない。失敗した先に何かがあると僕は思っている」
人生には、自分自身の「失敗」だけでなく、予期せぬ不幸や様々な「挫折」がある。
人間は「挫折」した時に、<その後、どう生きるか>で真価が問われる。
若者が学ぶべきは五郎丸のポーズだけではない。
私も、失敗が多い日々ですが、ここまで前向きに考えられるのは、正直すごい!と思いました。
●失敗の定義
「失敗」という言葉は、いろんな意味で使われますが、ここでは単純に定義しましょう。
大辞林 第三版の解説
( 名 ) スル
やりそこなうこと。目的を果たせないこと。予期した効果をあげられないこと。しくじり。↔ 成功
「試験に-する」 「 -の原因」 「 -談」 「彼を行かせたのは-だった」
KPIとは|重要業績評価指標|主要業績評価指標|キーパフォーマンスインディケーター − IT用語辞典
KPIとは、組織や事業、業務の目標の達成度合いを計る定量的な指標のこと。
組織や個人が日々活動、業務を進めていくにあたり、「何を持って進捗とするのか」を定義するために用いられる尺度であり、現在の状況を表す様々な数値などの中から、進捗を表現するのに最も適していると思われるものが選択される。
KPIは一般的には「顧客への訪問回数」のように指標そのもののことを意味するが、これを「3月末までに顧客を30回訪問」のように、ある時点で達成すべき目標の形で示し、これをKPIと呼ぶ場合もある。
KGIとは|重要目標達成指標|Key Goal Indicator − IT用語辞典
KGIとは、組織やプロジェクトが達成すべき目標を定量的な指標で表したもの。
抽象的な理念や目的のようなものではなく、「いつ、どの指標がどのレベルに到達したら目標達成とみなすのか」を定義したもの(例:3年後に売上高を10億円以上にする)で、その際に選択された指標自体(例:売上高)のことをKGIと呼ぶ場合もある。
日々の進捗を計る指標としてKPI(Key Performance Indicator)が併用されることが多い。
・成功:期限を設けて、KPIやKGIを達成できた状態
・失敗:期限を設けて、KPIやKGIを達成できなかった状態
という定義をしておきましょう。
成功や失敗の判定には、KPIやKGI等の判定基準が設けられます。
判定基準次第で、同じ状態でも、成功や失敗の評価が変わります。
(例)
目標:サッカーの1試合で、シュート成功率を70%以上にすること。
→ シュートを5本打って、4点以上取れたら成功、3点以下なら失敗。
●転ばぬ先の杖
失敗について考察するとき、失敗によってしか得られないものがあるとすれば、それは「転ばぬ先の杖」でしょう。
前もって用心していれば、失敗することがないというたとえ。
言い方を変えれば、
(1) アンチパターン(失敗例)の収集
(2) 解決策の開発
の2点です。
アンチパターン (英: anti-pattern) とは、ある問題に対する、不適切な解決策を分類したものである。語源は、ソフトウェア工学におけるデザインパターンである。
主に失敗した開発プロセスに焦点を当てて失敗に陥るパターンを類型化する。そうすることで、そのような事例の早期発見と対応策に関しての提案を目的とする。
失敗した結果、(1)が得られます。
(1)を得た後に、その解決策を作ることができれば、(2)が得られます。
・失敗するだけでは価値がない。
・解決策を見つけたら価値がある。
・今までにない解決策は、新たな武器となり、進化・成長を得たことになるので、利益である。
●愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
上記(1)のアンチパターンの収集について、格言があります。
オットー・エドゥアルト・レオポルト・フュルスト(侯爵)・フォン・ビスマルク=シェーンハウゼン(Otto Eduard Leopold Fürst von Bismarck-Schönhausen, 1815年4月1日 - 1898年7月30日)は、プロイセン及びドイツの政治家、貴族。
ドイツ統一の中心人物であり、「鉄血宰相(独: Eiserner Kanzler)」の異名を取る。
自分で失敗しなくても、他人の失敗(歴史の事例)から、(1)アンチパターンに気付くことは可能でしょう。
しかし、過去に前例のない、前人未到の領域では、歴史から学ぶことができませんね?
・現在の他人の失敗例 → 反面教師
・過去の他人の失敗例 → 歴史
・未来の他人の失敗例 → (想像の範疇なので曖昧)
自分や他人を含め、未来の失敗を予想することは、不可能じゃないと思うけど、想像力が乏しい場合は難しいでしょう。
●知行合一
未来の失敗=実際の経験(リアル)を伴っていない、想像で考えた仮想的な経験(ヴァーチャル)は、検討材料としては不十分、という考え方がありました。
知識と行為は一体であるということ。
本当の知は実践を伴わなければならないということ。
「知行合一」とは、学んで得た知識を行動に生かし、行動することでさらにその知識を体得していくことです。
「知る」ことと「行う」ことが常に表裏一体となった生きた学問を意味します。
中国の陽明学や吉田松陰が「知行合一」で言いたかったことは、「実際の行動」が伴っていないと、浅い理解に留まるのでダメだ、ということでしょう。
これを(1)のアンチパターン、失敗例に当てはめると、
過去の失敗や現在の失敗は、具体的であり、検討材料として使えるが、
未来の失敗は、抽象的であり、検討材料として使いづらい、
という評価になるでしょう。
天気予報が100%当たらなくても完全に無駄ではないように、未来の失敗(の予測)も、まんざら無駄ではないと思います。
しかし、未来予測が難しい場合は、確実に分かる現在や過去の失敗を、まず先に活用すべきなのでしょう。
人生は有限なので、時間を無駄にしないためにも、失敗しないに越したことはないですが、失敗してもそこで立ち止まらず、次の(2)解決策を作るステップへ行くことを忘れないようにしたいです。
●まとめ
失敗の先にあるものは、
・アンチパターンの収集=解決策の検討材料
↓
・新しい解決策の開発=転ばぬ先の杖(次回から使える)
ですね?
失敗とは「終着点」ではなく「通過点」であり、
プロトタイプ(試作品)だったのです。
OODA=「観察→方向付け→決心→実行」の4ステップを繰り返す。
戦闘機のドッグファイト(空中戦)から生まれた方法。
機動力を高めて、迅速に問題を解決するのに役立つみたい?
これまでに学んだ「デザイン思考」や「OODA」とともに、
五郎丸選手の考え方も参考にして、失敗しても突破できるようになりたいです。
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