ウイスキーの広告を作ってみました。
商品は、「タリスカー」というシングルモルト・ウイスキーです。
広告のコンセプトワークでは、M2層~M3層への訴求を検討しました。
M2層 35-49歳の男性
M3層 50歳以上の男性
A: 酒を飲まない人 → M1、F1 → ブライトテイスト
B: 酒を飲む人 → M1~M3、F1~F3 → アクアテイスト
C: ウイスキーを飲む人 → M2、M3 → クリスタルテイスト
D: タリスカーを飲む人 → M3 → アーステイスト
というセグメントでざっくりと分けて、テイストを割り当ててみます。
売上げに即貢献しそうなC、Dへのアプローチをまず強化して、
次に新規顧客獲得のためA、Bへのアプローチに取り組んでみましょう。
●写真の加工
ウイスキーのボトルは、撮影された写真素材をPhotoshopで切り抜きました。
写真の使い方には、「角版」「丸版」「切り抜き」というパターンがあります。
(参考)角版、丸版、切り抜きどう使う?/機関誌づくりブログ/第一資料印刷株式会社
・角版(かくはん)→撮影した写真を四角形にして使う。撮影時の背景も入っている。
・丸版(まるばん)→撮影した写真を丸にして使う。撮影時の背景も入っている。
・切り抜き→撮影した写真から、被写体だけを切り抜いて使う。撮影時の背景は入っていない。
この広告のボトルは、「切り抜き」という使い方ですね。
Photoshopで光彩を付けて、ボトルに後光を入れてあります。(オレンジ色のボンヤリした光)
背景は、スカイ島の海の写真です。
すでにトリミング(大きさの調整)済の写真だったので、加工はカラーをモノクロにしただけ。
商品はカラー、背景はモノクロにすることによって、色情報の多い商品の方が目立つようにしてみました。
商品の位置ですが、岩の上に乗っかる形になっており、このままでは、大きさに違和感が残りました。
=ボトルが大きく映っており、本物っぽく見えない。
=岩に対して、ボトルはもう少し小さくても良かった。
「TALISKER」という商品名は、見た人に覚えてもらいたかったので、文字を大きくして、配置してみました。
しかし別案として、キャッチコピーを大きくして上に持って行って、商品名は小さくして下に持って来ても良かったかも?
→いろいろバリエーションを出して、比較検討が必要ですね。
ちなみにタリスカーの本物の広告は、以下のようなヴィジュアルになっていました。
・Malts.com - シングルモルトウイスキーのふるさと(タリスカー蒸留所公式サイト)
イギリスのスカイ島という所で作られているので、キーヴィジュアルは海になっていました。
写真を探してみると、スカイ島は風光明媚で、綺麗な場所のようでした。
●日本のウイスキー
最近、NHKドラマ「マッサン」の影響もあって、ウイスキーへの関心はやや高まっているのではないか?と想像します。
電車の中吊り広告で、目に付いたウイスキーの広告もありました。
・角ハイボールがお好きでしょ。 | 事例紹介 | DENTSU RECRUIT 2016
電通が手がけたウイスキーの広告は、キャッチコピーを前面に押し出していました。
=商品写真(ボトル)は、小さく配置されているだけ?
これは多分、商品自体の認知度は高いので、飲み方=ライフスタイルの提案に重点を置いた結果だと思われます。
国内ウイスキー市場のダウントレンドが続く中、「ウイスキーは、古くさい、飲みにくい、飲む場がない」というユーザーイメージを変えるため、「角ハイボール」というジョッキで飲む新しい飲み方提案を始めたのが2008年秋。
2009年には、理想的な距離感を表現する飲食店を舞台に、角ハイボールをつくる女性店主と、等身大の男性飲み手たちというフレームで、角ハイボール広告を開始しました。飲用時品質の徹底、食との相性訴求、圧倒的なブランド露出により、ターゲットに「角ハイボールは、『自分たち向けの酒』、『おいしい』、『飲む機会が増えた』」、という価値を発見してもらうことに成功し、ハイボールブームを起こしました。しかし2013年、ウイスキー好調による競合激化と、角ハイボールの身近さ訴求によるブランドのカジュアル化で、「ハイボール=角瓶」から、他ブランドへの流出という不調の時代を迎えます。もう一度「ちょっと憧れるちょっといいお酒。おいしいハイボールはやっぱり角瓶。」というパーセプションを獲得するために、2014年にコミュニケーションを一新。ブランドイメージの再強化のために「ウイスキーらしい憧れ感」と「日々の食中酒」であることを伝えていくことにしました。
まず、ターゲットである30代半ばの男性サラリーマンの憧れの存在として、井川 遥さんを起用。脇をかためる男性陣も加瀬 亮さん、ピエール 瀧さん、田中 圭さんと、演技派を揃え、「角ハイボールがお好きでしょ。」という新コピーと共にコミュニケーションを展開しました。
併せて、食の象徴として「あげもの」との相性訴求も展開。「ハイボール&カラアゲ」「春はあげもの。」などのキャンペーンで、からあげやメンチカツなどのあげものを露出。飲食店やスーパー、コンビニなどの店頭とも連動し徹底的な食中酒訴求を行いました。
さらに「ハイボールガーデン」「角ハイボール CMのあのお店」という象徴的な飲み場接点も展開し、おいしい角ハイボールの飲用体験、あげものとの相性体験も推進し、食中酒化を進めています。その結果、2014年には、77年間のブランド史上最高販売数量を更新しました。1937年の誕生以来、多くの人に愛され続けて来た角瓶。その進化はこれからも続きます。
サントリーウイスキーのシリーズ広告は、2008年から広告展開して、いったんハイボールブームをつくることに成功。
その後、ライバル商品にお客さんが流れたので、巻き返しを図り、食事をしながら飲む酒(食中酒)というライフスタイルの提案を展開している模様です。
商品の特徴を把握して、どのように訴求したら良いか?
いろいろな広告を参考にしてみようと思います。

- 作者: 波田浩之
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
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