作曲の勉強をしたら、音の高さに関する話がありました。
(p.76)ドレミファソラシドの秘密 ~メジャースケール~
規則的に並んだ音の配置のことをスケール(音階)と言います。
●音律
音の高さで「ドレミファソラシド」というのがあるけど、何でこの音の高さが決められたのか?素朴な疑問が湧いて来ました。
調べてみたら、「音律」という音の高さに関する規則で決められている、とのことでした。
数学的に説明するとこうなる。
ラ=440Hzを基準として、1オクターブ高いラは880Hz 2倍の周波数になる。
1オクターブの中が12分割されており、2の 12乗根 = 1.05946309 倍ずつ周波数が高くなっていく。
12回繰り返すと2倍になるわけだ。
この音律を基本として、音がきれいに響くように調整された様々な音律がある。
音の高さを分割する規則を「音律」というそうです。
音律(おんりつ)とは、音楽に用いる音高の相対的な関係の規定である。
楽器の調律では、基準となる特定の音の音高を定め、それから音律に従って他の音の音高を決定する。
音高の関係は周波数の比で規定されることが多いが、必要条件ではなく、厳密な数値によって規定されない場合もある。
西洋音楽の音律の例
・純正律
・中全音律
・平均律
・音律入門
●平均律
歴史的に、いろいろな音律が考案されていて、現代では数学的に分割した「平均律」という音律がよく使われているそうです。
平均律(へいきんりつ)とは、1オクターヴなどの音程を均等な周波数比で分割した音律である。一般には12平均律を指すことが多い。
十二平均律とは、1オクターヴを12等分した音律である。隣り合う音(半音)の周波数比は等しく2^(1/12)(100セント)となる。
・数学に詳しい方~2の12乗根の求め方 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
2の常用対数をとって、それを12で割り、その値の10のベキ乗をとれば出ます。
計算式で書けば
2の12乗根 = 10^((log2)/12)
です。^はベキ乗の記号です。
・ラ(440Hz)が基準
・1オクターブを12分割
・2の12乗根(約1.059倍)ずつ音が高くなっていく(平均律の場合)
それが「ドレミファソラシド」の由来とのことでした。
音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか (ブルーバックス)
- 作者: 小方厚
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: 新書
- 購入: 16人 クリック: 109回
- この商品を含むブログを見る
●12分割にした理由
1オクターブを12分割するのでも良いなら、10分割とか15分割も作れるだろうけど、なんで12分割にしたのでしょうか?
人間の聴覚は、ある周波数とその2倍の周波数の音を
同質のものと認識しますが(これが「オクターヴ」)、
その間の音をカテゴライズする能力の限界が12種類程度なのだそうです。
人間の耳で聞き分けられる範囲が、ちょうど12分割程度だった、ということみたいです。
人間の耳のサンプリング能力がもっと優れていたら、1オクターブを20分割したり、100分割できたわけですねー。
●音波の連続性
昔の人々は、人間の耳の都合によって、1オクターブを勝手に12分割してしまったわけですが、自然界に存在する音源は、別に人間の耳とは関係ありません。
工学的な見地からすると、「音階を作る」ということは、音波の周波数を連続的な変化から、非連続的な変化にしてしまう処理と言えます。
・音波の量子化
・アナログ(連続的変化)からデジタル(非連続的変化)への変換
(via コンピュータの基礎 その6 Poketora日記/ウェブリブログ)
音階を設けることによって、音を人間がとらえやすい対象にできた反面、逆に失われた音の情報=中間的な音が取り残されてしまいました。
現代では、シンセサイザーなどデジタルな電子楽器が存在しています。
デジタルな音源は、単体で聴いている分には、特に気になりませんが、オーケストラのように音を重ねると、汚いノイズのような音に聴こえます。
これは、音の量子化によって、中間の音の成分が失われているため、重ね合わせた音の波形もジャギー(ガタガタの波形)になっているからでしょう。
弦楽器などは、音階は設けていても、音を連続的に変化させることができます。
電子楽器でも、テルミンのように連続的な音の変化=アナログ信号を作り出すことができる楽器もあります。
音を重ね合わせたときのハーモニー(調和)は、
・デジタルな電子楽器:音が汚い(ノイジー)
・アナログな生演奏の楽器:音が綺麗(柔らか)
という違いが出てきます。
それぞれに一長一短があるので、特徴をうまく活かし、音楽のジャンルによって使い分ければ良いでしょう。