浜村拓夫(・∀・)作品集

頭の中にあるイメージを表現できるデザイン力が欲しいです(><)

「不便益」という発想の転換

面倒くさいと感じると行動が停滞して、目標を達成できない場合があります。

行動のブレーキになる「面倒」を解決する方法を日々模索していますが、ヒントになる本がありました。

「不便益という発想 ~ ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、 不便をとり入れてみてはどうですか?」という本で紹介されていた「マイクロスリップ」という考え方が参考になりました。

 

 

 

目次

まえがき

序章 不便は手間だが役に立つ

第1章 そもそも、便利ってなんだ?

第2章 不便じゃないと楽しくならない!

第3章 これは不便だ!(勝手に認定)

第4章 「便利」という害

第5章 安心も「仕掛け」も、不便から

第6章 「益をもたらす不便」の性質

第7章 不便益システムを作る

第8章 不便益を「形」にする

あとがき

 

出版社情報

https://book.impress.co.jp/books/1116101016

book.impress.co.jp

 

著者紹介

川上浩司(かわかみ・ひろし)

1964年島根県生まれ。

京都大学工学部卒業、同大学院工学研究科修士課程修了。

京都大学デザイン学ユニット特定教授。博士(工学)。

著書に『不便から生まれるデザイン』(化学同人)。

 

http://www.kyoto-u.ac.jp/explore/professor/06_kawakami.html

www.kyoto-u.ac.jp

 

https://www.kuas.ac.jp/edu-research/profile/kawakami-hiroshi

www.kuas.ac.jp

 

http://fuben-eki.jp/masterpiece/

fuben-eki.jp

 

書評

不便益の六つの性質

(p.152)

不便益の性質は、大きく見て、

 

アイデンティティを与える

②キレイに汚れる

③回り道、成長が許される

④リアリティと安心

⑤価値、ありがたみ、意味

⑥タンジブルである(実際に触れることができる、手触りがある)

 

の六つに分けることができます。

 

一見、不便に見えるような事柄でも、見方を変えると六つのメリットが見い出せるとのこと。 

それぞれの事例について、本書で紹介されています。

 

マイクロスリップとは?

(p.159)

第6章 「益がもたらす不便」の性質

性質③ 回り道、成長が許される

 

マイクロスリップ」という言葉があります。

 これは、私たちの行為に組み込まれているちょっとした淀みのようなものです。何かを手に取るには真っ直ぐに手を伸ばせばよいのですが、私たちはそのとき、意識せずに伸ばす方向を微調整したり、必ずしも手に取るという行為には直結しないことをしています。

 一見、不必要で、なくすべきことのように思えますが、実は私たちの成長に不可欠な現象です。

 ルーチンを間違いなくきっちりと繰り返すことしか許されない場合、新しいことに気がついて試して、運がよければ上手くいく新たな方法を編み出すことも、許されません。

 マイクロスリップは、最適な行動系列から外れているという意味では、回り道のようなものです。ちょっとだけ道に迷ってみるから、新しい街並みが発見できたり、自分しか知らない近道を見つけたりできます。

 このときも、一連の行為が連続をたどっているからこそ、移動は連続的な道をたどっているからこそです。

 

www.google.com

 

マイクロスリップ

マイクロスリップは、身体所作をある目的をもっておこなったにもかかわらず、他の身体所作にスリップしてしまう誤操作のことである。

 

マイクロスリップ|Fenrir Designers

小さな淀み

例えば人がコーヒーを飲む様子をイメージする。

カップに手を伸ばし、持ち手を掴んで口元にもっていく。なんてことのない単純な動きが思い浮かぶだろうか。

しかし実際に、コーヒーを飲む行為をつぶさに観察してみると、手を伸ばす途中で少し停滞したり、カップに触れる直前に指の開き具合や手の角度を変えたりと、微妙な速度の変化を伴った複雑な調整を繰り返して、ようやくコーヒーが口に運ばれていることが分かる。

ほとんど無意識の行為であっても、人は周囲の環境を身体で把握しながら、それを知覚し、修正しながら行っているのだ。

このような、行為における小さな淀みを、アメリカの科学哲学者であり生態心理学者でもあるエドワード・S・リードマイクロスリップと名付けた。

我々はごく日常的に、何かをするたびに日々失敗と修正を繰り返している。

 

マイクロスリップという見方が参考になりました。

一見すると、おかしな動作、無駄に見える動作でも、それは微調整として必要であり役に立っているという場合があるんですね。

 

便利を追求すると、様々な機械や道具が発達して、人間がやることが少なくなり、「面倒」なことが解決されていくように思われますが、同時につまらないものとなってしまう場合があります。

 

  • 便利すぎて楽になると、つまらなくなる
  • 不便で大変だと、面倒になる

 

これらのバランスを取れば、「つまらない」とか「面倒」を解消できると思われました。

不便益という考え方を参考にして、日常生活で出くわす「面倒」を解消して、物事をスパスパと進めることができるようにしたいです。