浜村拓夫(・∀・)作品集

頭の中にあるイメージを表現できるデザイン力が欲しいです(><)

大事なことに集中する ― 気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法

仕事や勉強のやり方を改善する方法を模索しています。

参考になる本があったのでメモ。

 

大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法

大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法

 

 

「大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法」という本です。

 

目次

序章 偉大な仕事を成し遂げた人たちが知っていたこと

  ユングの偉業は「ディープ・ワーク」で成し遂げられた

  現代の優れた業績もディープ・ワークから

  「シャロー・ワーク」に足をとられる私たち

  機械に仕事を奪われない「価値ある自分」になる

  ディープ・ワークが二一世紀に大きな価値を持つ理由

  私はどうしてディープ・ワークに心酔するようになったか

  深く考える人生は素晴らしい

 

第1部 「ディープ・ワーク」という考え方

 

第1章 生産性を劇的に上げるために必要なこと

 「機械との競争」に勝ち残るのは?

  人工知能とともに働ける“スキルの古同い労働者”

  最高レべルの能力を持つ“スーパースター”

  有望な新興企業に投資する“資本家”

 これからの時代に絶対に必要な二つの能力

 注意力を一点に集中する

 難しい知的作業は、まとめて中断することなくつづける

  マルチタスクは生産性を落とす

 ディープ・ワークなしに成功している人々は?

 

第2章 注意力を奪う「シャロー・ワーク」という存在

 あなたの注意力を奪う三つのトレンド

  ディープ・ワークの能力はますます低下している

 円滑なコミュニケーションのために小型ジェツト機ほどのコストがかかる!

  注意散漫のコストは測定が難しい

 コンサルティングフアームでネット接続を一日禁じてみた

 多忙なのは、自分の価値をうまく示せていないから

 浅薄なコンテンツ提供のためにディープ・ワークが邪魔される

  「インターネット中心主義」に抵抗する

 “深く究める能力”はますます稀少価値を持つ

 

第3章 ディープ・ワークの三つの利点

  知的労働をメールやSNSに奪われないために

 楽しいことに意識を向ければ、苦しみの中にも喜びを感じることができる――神経学的利点

  シャロー・ワークに時間を費やすと、心は何を感じるか?

 ディープ・ワークは「フロー」状態を生み出す――心理学的利点

  深く没頭することが幸せにつながる

 仕事の意義を生み出す――哲学的利点

  “高尚な仕事”を求める必要はない

 

第2部 「ディープ・ワーク」を実践するために

 

第4章 集中して取り組むための戦略

  “ルーティン”と“儀式”がカギ

 戦略1 仕事スタイルに合わせてディープ・ワークを取り入れる

  一つの目的を追究する人のための修道生活的な考え方

  多種の仕事を両立させたい人のための二方式の考え方

  困難なことをつづけたい人のためのリズミックな考え方

  短時間で切り換えられる人のためのジャーナリスト的考え方

 戦略2 儀式化で、集中を乱すものを最小限に

  ディープ・ワークに入るための、自分に合った儀式を考える

 戦略3 どこかに“缶詰め”になる

  短期間でも閉じこもることは価値を生む

 戦略4 一人で仕事をしない

  MIT「べニヤ板の場所」で起こった飛躍的進歩

  べル研究所の「長い廊下」がノーべル賞を生んだ

  ホワイトボードを共有する

 戦略5 「何を」と「どのように」を分ける

  規律1:最も重要な目標にしぼって実行する

  規律2:最重要目標のためのディープ・ワークに注ぐ時間を指標にする

  規律3:ディープ・ワークに注いだ時間をスコアボードにつける

  規律4:スコアを定期的にチェックしてリズムをつくる

 戦略6 自分の脳に休息を与える

  理由1:休息時間が洞察力を高める

  理由2:自然の中で過ごすことが集中力を向上させる

  理由3:夕方以降にする仕事は、通常それほど重要ではない

  シャットダウンの儀式が大事

 

第5章 雑念を取り払うトレーニング

 戦略7 「ネット断ち」は効果がない

  ポイント1:メールに迅速に返事しなければならない人のためのコツ

  ポイント2:ネットの誘惑に負けないコツ

  ポイント3:あえて退屈な時間をすごす

 戦略8 優先順位の高いディープ・ワークを見きわめる

  厳しい期限を自分に課し、公言する

 戦略9 生産的に瞑想する

  提案1:注意散漫と堂々巡りに注意する

  提案2:深く考えるための三段階のシステム

 戦略10 トランプのカードを覚える

  「場所」をイメージしながら記憶する

 

第6章 ソーシャル・メディアから離れる

  インターネットをやめることは不可能

  ネットワーク・ツールを“職人的な方法”で選ぶ

 戦略11 「80対20の法則」を適用する

  目標に照らして、十分なプラスの影響のあるツールのみを使う

 戦略12 ソーシャル・メディアをやめる

  三〇日間、中止してみる

 戦略13 楽しみのためにネットを使ってはいけない

 

第7章 シャロー・ワークを減らす

  避けられないシャロー・ワークを見きわめる

 戦略14 一日の予定を分刻みで立てる

  罫線ノートを使った予定の立て方

  予定変更が頻発したときの対処法

 戦略15 すべての活動の深度を評価する

 戦略16 無駄なシャロー・ワークに「ノー」と言う

 戦略17 五時半までに仕事を終える

  夜も週末も働かずに業績を上げる方法

 戦略18 連絡が取りにくい人になる

  ヒント1:メールの発信者に“フィルター”をかける

  ヒント2:メールを送信・返信する前に、立ち止まって考える

  ヒント3:返信しない

 

おわりに

 

訳者あとがき

 

※本書で言及する書籍のうち、未邦訳のものには原タイトルを入れました。

本書の原注は、以下のURLよりPDFをダウンロードできます。

http://www.diamond.co.jp/go/pb/deepwork_notes.pdf

 

出版社情報

http://www.diamond.co.jp/book/9784478068557.html

www.diamond.co.jp

 

著者紹介

calnewport.com

 

Cal Newport - Wikipedia

Calvin Newport (born June 23, 1982) is an associate professor of computer science (with tenure) at Georgetown University and the author of five self-improvement books. He also writes the Study Hacks blog focused on academic and career success.

 

書評

著者が提案している「ディープ・ワーク」と「シャロー・ワーク」という考え方が参考になりました。

 

ディープワークとシャローワークの定義

(p.3) ●ユングの偉業は「ディープ・ワーク」で成し遂げられた

ディープ・ワーク:あなたの認識能力を限界まで高める、注意散漫のない集中した状態でなされる職業上の活動

こうした努力は、新たな価値を生み、スキルを向上させ、容易に真似ることができない

 

(p.8) ●「シャロー・ワーク」に足をとられる私たち

シャロー・ワーク:あまり知的思考を必要としない、補助的な仕事で、注意散漫な状態でなされることが多い。

こうした作業はあまり新しい価値を生み出さず、誰にでも容易に再現することができる

 

 つまり、このネットワーク時代、知的労働者はディープ・ワークをどんどんシャロー・ワークに変えている――たえずメールをやりとりし、ふいに邪魔が入ってたびたび仕事を中断されている。新しいビジネス戦略を立てるとか重要な起案書を書くといった、深い考察によってうまくいく、より大さな取り組みも、ばらばらに寸断されて質が低下する。

 いっそう悪いことに、このシャロー・ワークへの転換は簡単に逆転させることができない。シャロー・ワークに没頭して多くの時間を費やせば、ディープ・ワークをおこなう能力は“永遠に”低減しつづける。「ネットのせいで私の集中力と思考力は削り取られている」。

インターネットは注意散漫にさせて、ディープワークを阻害する要因になりやすい。

 

(p.12) ●機械に仕事を奪われない「価値ある自分」になる

 べンはディープ・ワークが難しいことを痛感し、プログラミングを学ぶことに専念したが、同時に深く考える方法も身につける必要があると気づいた。彼のやり方は思い切ったものながら効果的だった。「コンピュータのない部屋に、プログラミングのテキストとメモカード、マーカーだけを持って閉じこもった」。そしてテキストに印をつけ、それをメモカードに写し、声に出して読んだ。

 最初、コンピュータなしでいるのはつらかったが、自分に選択の余地を与えなかった。とにかくこの教材を学ばなければならず、気を散らすものは何も持ち込まなかった。やがてうまく集中することができ、一日に五時間かそれ以上、外部との連絡を絶って、この難しく新しいスキルの習得に専念できるようになった。

コンピューターを学ぶときは、オンラインよりもオフラインの方が、集中を妨害されずに捗る。

 

(p.32) ●注意力を一点に集中する

 「注意力の光線を一点に集めて、あなたの心をレンズにせよ。あなたの精神を、何であれあなたの心の中の、有力で夢中にさせるアイデアに全面的に集中させよ

 このアドバイスは、修道士で倫理学教授、アントニン-ダルマス・セルティランジュが二〇世紀初めに著した『知的生活(The Intellectual Life)』からの引用である。

自分の目標に集中することが大事。

 

 この一定の形を与えるという課題は、一九七〇年代に本格化した。

一九九〇年代初め、フロリダ州立大学教授、K・アンダース・エリクソンは一つの答えを出した。

意図的な練習(deliberate practice)」である。

エリクソンは述べている。

「私たちはこうした〔熟達者と凡人との〕相違は不変だとは認めない……そうではなく、熟達者と凡人との相違は、特定の分野で能力を向上させるために、生涯にわたって入念な努力を積んだことを示すものだと考える」

 

「意図的な練習」に必要なこと

1. あなたが高めようとしている特定のスキル、または極めようとしているアイデアにしっかりと注意を集中する。

2. 最も生産性の高いものに注意を向けつづけるために、あなたのやり方を正すことができるようフィードバックを受ける。

「意図的な練習」という概念を知った。

 

超一流になるのは才能か努力か?

超一流になるのは才能か努力か?

 

 

(p.38) ●難しい知的作業は、まとめて中断することなくつづける

成果を最大にする働き方=費やした時間×集中度

 

これは「成果=時間×密度」という作業効率の公式と合致している。

成果物(作業量)は、単純に時間に比例するわけではなく、密度を高めること=集中力も重要と。

 

(p.39) ●マルチタスクは生産性を落とす

ミネソタ大学のビジネス教授、ソフィー・ルロアの興味深い説明がある。

 二〇〇九年の論文「なぜ私の仕事はそれほど困難なのか」で、ルロワは“注意残余(attention residue)”と呼ぶものの影響を紹介している。

 

この調査でわかった問題点は、タスクAからタスクBへ移るとき、人の注意力がすぐにはついていかないこと―注意の“残余”は最初のタスクについて考えつづけるのだ。タスクAの仕事に限りがなく、集中度が低いほど、この“残余”の密度は濃くなる。しかし、次のタスクBへ移る前にタスクAを終えたとしても、注意力はしばらく分裂したままだ。

 

切り替わらないままの“注意残余”のせいで、仕事の生産性は低下する。

あなたが最高の生産性を発揮するには、長期間、気を散らすことなく、一つの仕事に全面的に集中する必要がある

「注意残余(attention residue)」という概念があることを知った。

 

(p.48) ●ディープ・ワークの能力はますます低下している

カリフォルニア大学アーバイン校の情報科学教授、グロリア・マークは「注意力の断片化(attention fragmentation)」の科学の専門家である。マークと共著者たちがおこなった研究で、よく引き合いに出されるものだが、オフィスで働く知的労働者たちの観察から、たとえ短時間でも仕事を中断すると、かなりな割合で完了が遅れることがわかった。

「注意力の断片化(attention fragmentation)」という概念があることを知った。

 

(p.52) ●注意散漫のコストは測定が難しい

ディープ・ワークを妨げる行動による影響を容易に見抜くことができると思ってはならない。トム・コクランが発見したように、そうした数的指標は、測定しにくい不透明な領域――私が「計量のブラックホール」と呼ぶ領域――に分類される。

 

ビジネスをディープ・ワークから引き離し、もっと気を散らすものへ向かわせるさまざまなマインドセット(物事の考え方)と先入観について説明したい。もしそれらが最終的な利益を損なうことが明白なら長くつづかないだろうが、計量のブラックホールはこの明白さを妨げ、気を散らすものへ進ませるのだ。

測定して数値化しにくい影響が存在している。

著者はそれを「計量のブラックホール」と名付けている。

「ちょっとぐらいなら、大した影響はないだろう」と油断させるものでも、集中を妨げているものがあることに注意!

 

(p.62) ●浅薄なコンテンツ提供のためにディープ・ワークが邪魔される

このディープ・ワークを定期的に邪魔されるのか?そして、おそらくもっと重要なことだが、なぜこの行動が大半の人にとってそれほど当たり前のことになっているのか?

 答えの根拠は、コミュニケーションの理論家でニューヨーク大学教授だった、亡きニール・ポストマンによる警告に見出すことができる。パソコン革命が急速に進んだ一九九〇年代初め、ポストマンは社会がしだいにテクノロジーとの厄介な関係に陥るだろうと主張した。当時、人々はもはや新しいテクノロジーによる犠牲を問題にしてはいなかった。新たに生じた問題と効率のよさのバランスを取っていた。それが本当のハイテクならけっこうなことだ、と私たちは思うようになっていた。一件落着である。

 彼はそんな文化を一種の「テクノポリー」と呼び、はっきりと警鐘を鳴らしている。
「テクノポリーは、まさしくオルダス・ハクスリーが[すばらしい新世界]で描いてみせたように、それ自身に代わるものを排除する」と一九九三年の著書で言う。「代替物を不法なものにするのではない。不道徳なものにするのでもない。不人気にすらするのでもない。目に見えない、それゆえ時代遅れのものにするのだ

 ポストマンは二〇〇三年に他界したが、もし今日生きていたら、一九九〇年代に抱いた懸念がこれほど早期に実現したことに驚伴したことだろう――インターネットの予想外の急激な台頭による一種の崩落に。

コンピューターなどの新技術には、メリットとデメリットがある。

ニール・ポストマンは、コンピューターやネットワークのデメリットを「テクノポリー」という考え方で説明した。

 

技術vs人間―ハイテク社会の危険

技術vs人間―ハイテク社会の危険

 

 

(p.65) ●「インターネット中心主義」に抵抗する

 ディープ・ワークはテクノポリーではきわめて不利である。ディープ・ワークは、明らかに古風で非テクノロジーの、上質、技能、そして熟達といった価値観を基にしているからだ。さらに悪いことに、ディープ・ワークを貫くには、新しいものやハイテクの大半を排除しなければならない。ディープ・ワークは、ソーシャル・メディアの利用のような、より気を散らせるハイテク行動のために追われるのであって、前者が経験上、後者より劣っているからではない。実際、もし純利益に対する影響について確かな数的指標があれば、現在のテクノロジーは消え去るかもしれない。

意識を外側に向かわせるハイテクは、意識を内側に向かわせるディープワークの邪魔になるので、排除していい。

 

(p.81) ◎仕事の意義を生み出す ―― 哲学的利点

デカルト懐疑主義から、確実性を求める個人は真実を授ける神や王に勝るという過激思想が生まれた。もちろん、結果として生まれた啓蒙主義は、人権の概念をもたらし、多くのものを抑圧から解放した。

 啓蒙主義後、私たちは何が有意義かを見きわめねばならなくなった。それは恣意的になり、密かなニヒリズムを生じさせるおそれのあることだ。ドレイファスとケリーは懸念する。「個人は啓蒙主義を受け入れた結果、退屈な人生になるだけではない。かなり生きづらい人生になることはほぼ避けがたい

 ここは、ディープ・ワークの充足感を理解することから離れるように思えるかもしれない。だが、ドレイファスとケリーの解決策をとれば、仕事での意義の源泉を見抜く新しい豊かな力を見出すことができるだろう。このつながりは、二人の近代ニヒリズムへの対処が、この章を開始したまさしくそのテーマ、つまり職人を根拠にしていることがわかれば、それほど意外ではないはずだ。

 ドレイファスとケリーが著書の結びで述べていることだが、職人の技能は神聖意識を再び蘇らせるカギを与えてくれる。それを例証するため、彼らは一つの例として、優れた車大工――荷馬車の木製車輪を形づくるという、いまは失われた職業――の話を挙げる。

 「それぞれの木片ははっきりと区別でき、それ自体の個性を持っている。車大工は細工をほどこす木材と密な関係にある。木材の捉えがたい特性は、磨かれ手入れされることを求めている」

 材料の「捉えがたい特性」についてのこの理解から、職人は啓蒙主義後の世界で決定的なものに出会ったのだ。つまり、個人の外にある意義の源である。車大工は自分の判断でどの木材の特性が価値があり、どれが価値がないかを決めることはない。こうした価値は、木材と作業が本来持っているものである。

 ドレイファスとケリーが説明するように、そうした神聖さは職人の技能に共通している。職人の職務は、二人によると、「意義を“生み出す”ことではなく、彼自身で“すでにそこに”ある意義を見分ける技能を“磨く”ことである」。このことによって、職人は個人主義ニヒリズムを免れ、確固たる意義の世界を得ることができる。同時に、この意義は前の時代に言われた源より確かなものに思える。著者たちが示唆していることだが、車大工は松材に内在する特性を利用して専制君主制を正当化することはできない。

デカルト個人主義以降、価値を生み出す仕組みが変化した。

  • 昔:王や神から「価値あるもの」を与えられていた。
  • 今:すでに「価値」を含んでいる素材を見つけ出して、「価値あるもの」に仕上げる/変える作業を行う。

現代の労働者は、職人のようにスキル(技)を磨いて、価値の創出に励むことで、仕事に意義を見い出すことができるはず?

 

まとめ

  • 集中できる時間は、慣れてないと1日1時間ぐらい。慣れてくると1日3~4時間ぐらい。
  • 8時間労働なら、半分をディープワークに当てて、残り半分でシャローワークをこなせばOK。
  • ディープワークは、単純に時間の長さではなく、いかに集中した状態を作れるか?が大事。余計な雑事を排除して、まずは集中できる状態を作ることを心がけよう。