好きな絵の一つに、いわさきちひろの絵があります。
いわさき ちひろ(本名:松本知弘(まつもと ちひろ、旧姓岩崎)1918年12月15日 - 1974年8月8日、女性)は、子供の水彩画に代表される日本の画家・絵本作家である。
常に「子どもの幸せと平和」をテーマとした。
こんなかんじの絵です。
「緑の風のなかの少女」1972年(via 新潟県立近代美術館 いわさきちひろ展)
こういう絵、誰しも一度はどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか?
●ちひろの絵の魅力
・水墨画をカラーにしたようなかんじで、ボンヤリした輪郭を持つ柔らかい画風です。
・一言でいえば「ホンワカ」したかんじの印象を受けます。
・「優しさ」を可視化すると、こんな映像になるのではないか?と思いました。
柔らかくて優しいかんじのイメージが伝わってくるのが、好きな理由かな?
他にもいろんな絵があります。
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●ちひろの技法・画材
好きな絵は、見ているだけでは飽き足らず、自分でも描いてみたくなるのが人の性でしょうか?(エスカレート)
ちひろが使っていた画材を知りたいと思って調べたら、「ちひろの絵のひみつ」という本の中で紹介されていました。
本書のよると、
・透明水彩絵の具
・ポスターカラー
・パステル
などを使っていたそうです。
使用していた画材の紹介のみならず、描き方の技法まで紹介されていました。
この本を参考にすると、ちひろさんのような絵が描けるようになるでしょう。
→ちひろファンにとって、本書はマストアイテムなのではないでしょうか!?
●目次
はじめに
Ⅰ ちひろの絵のひみつ
ちひろのアトリエから
画材
制作プロセス色のはなし
①ちひろの紫
②補色の効果
③白を生かす
④感じる色構図
①引き算で描く
②視点を変える
③尺度を変える水彩の技法 にじみを生かす
①花を描く
②花を描く
③雨を描く
④白抜きのシルエット
実体顕微鏡で見る水彩テクニック①
実体顕微鏡で見る水彩テクニック②水彩の技法 筆勢を生かす
①草を描く
②木を描く
③空を描く
④海を描くパステルの技法
パステルの線
水彩画基本の技法
にじみ、ぼかし、かすれを使って描いてみよう
Ⅱ ちひろの絵の魅力
かわいさのひみつ
①顔のバランス①
②顔のバランス②
③眼の表現
④手の表現心情を描く
①後ろ姿の表現
②哀しみの表現
Ⅲ ちひろのデザイン
人物を描く
①自画像を描く
②身近な人を描く
③重心と軸を描くスケッチ
旅のスケッチ
鉛筆のテクニック
①鉛筆線を生かす
②横顔を描く
③消しゴムの効果
④情景を描くちひろのカット集
①人物―大人
②人物―あかちゃんと子ども
③植物
④動物、小さな生き物ちひろのエッセイ
「豊かな水と美しい友情と」
あとがき
●はじめに
この本は、いわさきちひろの絵画技法に焦点をあてた初めての本です。
ちひろの絵は、没後三十年だった今でも、たくさんの人に親しまれています。その理由のひとつは、ちひろの絵が誰にでもわかりやすいからでしょう。わかりやすいということは、絵のテーマが子どもたちであったり、犬や猫や小鳥や花だったり、身近なものだからです。誰でもよく知っているものは、理解しやすいものです。
しかし、描かれているものがわかりやすい、というだけでは、じつは充分ではありません。私たちが日頃感じている子どものかわいらしさや、可憐な花の美しさを、絵がみごとに語ってくれているとき、その作品に共感するのです。さらには、私たちが持っている、いとしいものへの愛情さえ、絵が語っているように感じる場合に、その絵を大切に思う人がいるのでしょう。
絵を描く、ということは、自分の思いや感動を人に伝えることです。音楽も、文学も、美術も、あらゆる芸術表現の根本は同じです。芸術家が技術を磨くのは、自分の感動を、より豊かに伝えたいからにほかなりません。
いわさきちひろもまた、子どもや、生き物や、自然の持つすばらしさに感動し、それを絵筆を通して伝えようと、生涯、自分の技術を磨き続けた人でした。
本書は、自分らしい感動を表現したい、と思っている方々には、ちひろがどんな工夫をして、自分の作品を作り上げたのか、その一端を紹介して参考にしていただきたいと思い、編集しました。
また、いわさきちひろという画家と、その作品をより深く理解したい、という方々にとっても本書はきっと役に立つことでしょう。
●あとがき
ちひろの絵は一見、何気なく描かれたようにみえますが、じつはさまざまな技術がかくされています。画家は何年も何十年も地道な努力や工夫を積み重ねて自分のスタイルを作っていくものです。本書で紹介したちひろの絵画技法も、そうやって生まれてきたものです。ですから、少し真似をしたからといって、その技術がすぐに身に着くものではありません。しかし、真似ることから学ぶことが多いのも事実。中国や日本の美術では昔から手本の模写が絵を学ぶことであり、文化を継承することでした。ちひろの若いときのデッサンには、ドーミエや師事した丸木俊の画風に似たものがあります。色彩は若いときに習った岡田三郎助の影響を受け、にじみの表現は俵屋宗達や丸木位里を研究することで身に着けたものでしょう。すべての芸術家はなんらかの意味で、先達の技術を学ぶことによってその表現力を豊かにしてゆきます。本当の意味での個性や独創性というものは、人と違ったことをやろうとして生まれるものではありません。表現したいものを真摯に追究し、技術を磨くなかでこそ生み出されるものだと思います。
本書で紹介したちひろの技術が自分らしい作品を作り上げる上で参考になれば幸いです。もちろん、歌手の歌い方を真似て歌うことが楽しいように、ちひろの絵を真似て描くことも、絵を描く喜びにつながるでしょう。それを繰り返すなかで、少しずつ自分らしい表現ができるようになればもっと絵を描くことが楽しくなるはずです。
本書の製作にあたっては編集の五十嵐千恵子さんに構成から文章のアドバイスまで、大変お世話になりました。また、読みやすく美しい本に仕上げてくださったブックデザインの山口至剛さんにも心から感謝します。
二〇〇六年 初夏 松本 猛
私も、好きなちひろの絵で「守破離」の練習をしてみたいです。
しゅ‐は‐り【守破離】
剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。
「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。
イミテーションワールド
視点 ぶれる かすむ
夜に 涙 溶ける
ドキドキの時の些細な幸せ
手探りの未来
もう少しだけの時間ください