浜村拓夫(・∀・)作品集

頭の中にあるイメージを表現できるデザイン力が欲しいです(><)

ミッフィーの描き方

ミッフィーの描き方が紹介されている本がありました。

ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた」という本です。

 

新装版 ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた (みづゑのレシピ)

新装版 ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた (みづゑのレシピ)

 

 

ミッフィーとは?

ミッフィーは、ウサギを擬人化したキャラクターの1つです。

 

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(via Evolutiebiologie: Nijntjes familie

 

ディズニーなど、動物をモチーフにしたキャラクターはたくさんありますが、ミッフィーも有名だと思います。

 

ミッフィーとは - はてなキーワード

Nijntje Pluis(ナインチェ・プラウス:オランダ語)、Miffy(ミッフィー:英語)うさこちゃん(日本)など。

白うさぎのキャラクター。

オランダ人のグラフィック・デザイナー、ディック・ブルーナDick Bruna)が抽象美術運動である「デ・スティル」の影響を受けて作られた。

 

ナインチェ・プラウス - Wikipedia

インチェ・プラウス(オランダ語: Nijntje Pluis, 以下ナインチェ)は、ウサギの女の子のキャラクターである。うさこちゃん(日本での名前)またはミッフィー(英語: Miffy)としても知られる。
オランダのデザイナー、ディック・ブルーナが描いた絵本に主人公として登場する。

 

擬人化された小ウサギの主人公たちの日常を描写した新しいタイプの絵本を書き上げた。ブルーナはその主人公に、小ウサギを意味する konijntje (ウサギ konijn+縮小辞 -tje)の短縮形である Nijntje という名前を与えた。これが、ナインチェの誕生である。

 

ミッフィー」は英語の呼名で、オランダ語では「ナインチェ」というんですね?

 

作者のディック・ブルーナさん

ディック・ブルーナ - Wikipedia

ディック・ブルーナDick Bruna, 本名:ヘンドリック・マフダレヌス・ブルーナ(Hendrik Magdalenus Bruna), 1927年8月23日 - 2017年2月16日)は、オランダのグラフィックデザイナー、絵本作家。ナインチェ・プラウス(うさこちゃんミッフィー)やブラック・ベアの生みの親として知られる。

 

89歳で、去年亡くなっていたんですね。

 

ミッフィーの描き方

(p.42)

ミッフィーは、最初に耳、次に顔と口、そして目の順に描きます。」

 

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一気に線を引くのではなく、点を重ねるように、ゆっくり描いていくブルーナさん。

この作業は、もっとも緊張する瞬間のひとつです。

30分集中しては休み、また集中を繰り返して少しずつ丁寧に仕上げていきます。

愛用の画材は、黒のポスターカラー。

筆は、使いやすいように穂先をカットしているそうです。

 

(p.43)

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点をひとつひとつ重ねるように、線を描く

点を打つような感覚で筆を動かすブルーナさん。
線をアップにしてみると、かすかにふるえているのがわかります。
最初、ブルーナさんは、このふるえが気になっていたといいます。
けれど、あるとき発見したのは、このゆらぎがあるからこそ、画面から瑞々しい生命力が感じられるということでした。

 

目のバランスが、ミッフィーという個性を決める

顔のなかでも目は、もっともポイントになる部分。
小さいからといって、一息に円を描いてしまうのではなく、まずは向かって左側のカーブから引いていきます。
次に紙を反対にしてもう一方のカーブを。
手首が自然に動く方向に合わせるのが、なめらかな円を描くコツ。

 

魂のビートが、線のふるえになって紙の上に現れる

たとえば、ミッフィーがはしゃいでいるシーンを描くとき、ブルーナさんもうれしい気持ちがいっぱいになるそうです。
涙を流す姿のときは、その悲しみに共感しながら。
そうやって気持ちを込めて描いているからこそ、ブルーナさんの引いた線から、わたしたちは豊かにイマジネーションを広げられるのかもしれません。

 

小さな点みたいなミッフィーの目ですが、円の左半分と右半分を分けて、丁寧に描いているんですね!

自分ならポチッと丸を描いて終わりにしているところを、とても繊細な描き方をしていることに驚きました。

 

線のふるえ 

紙ではないけど、Windowsのペイントとマウスで描いてみたミッフィーがこちら↓

 

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手の震えが線にも反映されてますねw

 

今までは、手の震え=線がガタガタになる=ジャギーな仕上がりが気になっていましたが、今後は気にしないようにしようと思います。

(滑らかな線にしたい場合は、Adobe Illustrator等で描けばOK?)

 

ディック・ブルーナさんから学ぶこと

最初は、「ミッフィーって、こうやって描いてるんだ。へー、なるほどね。」ぐらいにしか思ってませんでしたが、他のページも読んでみると、いろいろ参考になる話が紹介されてました。

 

初心に返る

(p.36)

本を描きはじめるときは、いつも初心に帰ります。

新しい気持ちになって、とてもワクワクしますね。

 

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初心に返り、新たな気持ちで取り組むと、物事を新鮮な気持ちで楽しめる。

~この姿勢は、絵だけに限らず、物事全般に当てはまることだと思いました。

 

シンプルな色使い

(p.52)

たった6色で、あらゆる色を表現する

 

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ミッフィーって、少ない色数で表現されていたんですね!

もっと多色でカラフルなイメージがあったけど、とてもシンプルなことに驚きました。

 

グラフィックデザインがベース

(p.54)

ブルーナさんはグラフィックデザイナーです

 

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Q 絵本を創作するときとグラフィックデザインをするときとでは、描きかたや考えかたに違いがありますか?


A 結果は異なりますが考えかたは一緒です。

わたしは自分自身をグラフィックデザイナーだと思っています。

グラフィックデザイナーと同じように、物事を整理し、クリアにしようディレクションしているのです。

そして、ポスターをつくることが、好きな仕事のひとつです。

たったひとつのデザインのなかで、すべての物語を語らなければならないのですから!

 

  • 絵本は、ストーリーを複数のページで構成する。
  • ポスターは、ストーリーを1枚の画面で構成する。

 

ストーリー展開を感じられるポスターが描けたら、面白そうだと思いました。

 

ウォーリーをさがせ!」の場合、1枚の絵の中に多数のキャラクターが描かれていて、各場所で様々な出来事が起きている躍動感を感じさせますね?

 

本の表紙の絵師

ブルーナさんのキャリアは、本の表紙を描くことから始まったそうです。

 

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(p.55)

1945年、グラフィックデザイナーとして歩きはじめることに

画家になりたい、そう夢見ていたブルーナ青年。けれど父親は、自身が経営する出版社(A.W.ブルーナ&ゾーン/以下、ブルーナ社)の後継者になることを望んでいました。父親への説得を何度も試みましたが、意見はなかなか一致しません。そんなある日、本の表紙を描いてはどうかとブルーナ青年に提案をした父親。それが、グラフィックデザイナーとしての第一歩となりました。

 

いきなり、たくさんの作品を量産することは難しいけど、1枚の絵を描くことから始めるなら、取り組みが簡単になりますね?

→教訓:「できることから始めよう!」

 

自分のスタイルを確立

(p.57)

グラフィックデザインの仕事が、スタイル発見のカギになった

 

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(p.61)

ブルーナさんは、48歳でブルーナ社を辞めて独立。

以来、いままでは忙しくて断らなければならなかった仕事を引き受けるようになりました。

そのひとつは、病気や貧困に苦しむ子どもたちをサポートする仕事。

 

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様々な仕事をやることが、作風に幅を広げることにつながっているようです。

 

(p.62)

若き日のブルーナさんが影響を受けた、20世紀アート

アンリ・マティス

 

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巨匠のスタイルから、独自の表現を見つけ出す

画家になりたいと夢見ていたブルーナさんは、出版社経営の研修のために滞在していたパリで、モダンアートに出会います。

研修の合間に足しげく美術館に通い、ピカソやレジェなど20世紀の巨匠たちのスタイルに触れながら、スケッチや油絵を制作しました。

とくに決定的だったのは、南フランス・ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂を訪れたときのこと。

マティスが晩年、体調がすぐれないなかで精魂込めて手がけたこの教会を見たとき、ブルーナさんはここから自分なりのなにかをつくりあげることを決心したそうです。

「中でもマティスの絵は強烈でした。それはシンプルな絵なのです。けれどダイレクトに心を打つのです」、絶対に描き過ぎてはいけないこと、複雑にしてはいけないことを学んだブルーナさんは、1953年にはじめての絵本『りんごぼうや』第1版(未訳)をつくります。

これは、マティスの切り絵の手法で、独自の表現をするという、新たなチャレンジのひとつでした。

 

抽象芸術は、あまり興味がないのでよく分かりませんが、マティスロールモデルの1つになっているそうです。

 

アンリ・マティス - Wikipedia

アンリ・マティス(Henri Matisse, 1869年12月31日 - 1954年11月3日)は、フランスの画家

フォーヴィスム(野獣派)のリーダー的存在であり、野獣派の活動が短期間で終わった後も20世紀を代表する芸術家の一人として活動を続けた。自然をこよなく愛し「色彩の魔術師」と謳われ、緑あふれる世界を描き続けた画家であった。

 

線の単純化、色彩の純化を追求した結果、切り絵に到達する。マティスにとってはさみは鉛筆以上に素画に適した道具だったのである。『ジャズ』シリーズなど切り絵の作品を多数残している。

 

マティス (ちいさな美術館シリーズ)

マティス (ちいさな美術館シリーズ)

 

 

マティスは、切り絵で有名な画家らしいです。

酒でも飲んで酔っ払ったときに絵を描いたら、マティスの切り絵のような絵が描けるでしょうか!?

 

(p.64)

美術館を訪ねるミッフィーの物語はブルーナさんの自伝的な作品

うさこちゃんびじゅつかんへいく』は、はじめて美術館を訪れたミッフィーが、線と面だけで描かれた絵画やゆらゆら動く彫刻に出会うというお話。

20世紀のアートは、ときとして難解だと人々から敬遠されることがあるけれど、ミッフィーのように真っ直ぐ作品と向かいあったなら、その魅力に気づくことがきっとあるはず

 

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みなさんは、この絵を見てなにを感じますか?

ミッフィーは、「このえは、とてもいい。しまの もようが ほんとうに きれい」(松岡享子訳)、そんな素直な感想を語っています。

 

ブルーナさんのバックグラウンドには、20世紀のファインアートがあり、抽象芸術やマティスの切り絵などが、ミッフィーを誕生させたんですね。

ミッフィーって、シンプルな線画だと思ってたけど、奥が深いと思いました。

 

ディック・ブルーナさんのメッセージ

本書の巻末に、読者へのメッセージがありました。

 

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It starts an a hobby
and if you work hard
and try to do it better
every day

one day you will realize
that making children books
is wonderful and makes
you very happy

 

Dick Bruna

 

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はじめは趣味のようなものだとしても、
真剣に、毎日よくしようと努力すれば、
いつの日かきっと、子どもの本をつくることが、
とても素敵で、あなたに大きな幸せを
もたらすことに気づくはずです

―― ディック・ブルーナ

 

ディック・ブルーナさんのように、作品作りにかける情熱を持ちたいと思います。

 

まとめ

  • ミッフィーはシンプルな線画だと思ってたけど、その背景にはマティスのような抽象芸術のコンセプトがあった。
  • シンプルな線画だけど、とても丁寧に描いていた。
  • 本の表紙、ポスターなど1枚の絵から始めて、徐々に作風を広げていった。

 

インフォグラフィックのようにシンプルな絵でも、訴求力のある絵を描けるのではないか?と思いました。

ミッフィーの描き方を参考にしつつ、自分の作風をブラッシュアップしていきたいです。

 

 

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